「今は最大リスクの時」、公務復帰のジョンソン英首相 新型ウイルスから回復

Prime Minister Boris Johnson makes a statement outside 10 Downing Street, London, as he resumes working after spending two weeks recovering from Covid-19

画像提供, PA Media

画像説明, 新型コロナウイルス感染から回復し、3週間ぶりに公務復帰したジョンソン英首相(27日、首相官邸前)

新型コロナウイルス感染から回復し、約3週間ぶりに公務に復帰したボリス・ジョンソン英首相は27日午前、首相官邸前で演説し、イギリスは今「最大リスクの時」にあると強調し、ロックダウン(都市封鎖)は続ける必要があると国民に理解を求めた。

ジョンソン首相は「思った以上長いこと机を離れてしまった」と謝罪。代わりに毎日の官邸会見を開くなど政府の対策を担っていた閣僚たちに感謝すると共に、「ただひたすらしぶとく我慢」している市民をたたえた。

その上で首相は、新型コロナウイルス感染の「潮目が変わりつつある」と期待を示しつつ、時期尚早なロックダウンば市民の「努力と犠牲」を無駄にすると強調した。

「見えない強盗」

ジョンソン首相は、ロックダウン解除と経済再開を早くしてほしいという事業主の懸念は理解するとしながら、感染拡大の第2の山が訪れてまた被害が急増すれば、「経済にとって大惨事」になると警告した。

「あせる気持ちを抑えていただきたい」と首相は呼びかけた。

新しく入院する感染者の数が減り、新型コロナウイルスによる感染症「COVID-19」で集中治療を受けている患者が減りつつあるのは、「私たちがピークを通過しつつあると示す、本物の兆候だ」とジョンソン氏は歓迎。

その上で、「もしこのウイルスが暴漢だったなら、予想もしない見えない強盗だったなら……自分自身の経験から正にその通りだと言えるわけだが……ならば今こそ私たちは、その強盗を地面にねじふせつつある」と述べた。

「つまり今は、チャンスの時だ。今は、上手(うわて)を取ってぐいぐい押していく時だ。それと同時に、今は最大リスクの時でもある」

「ウイルス対策に成功している様子を見て、そろそろ社会的距離の対策を緩和してもいいのではないかと考え始めている人も大勢いるだろう。それは承知している」と首相は述べた。

そして、イギリス国民が全員で「国民保健サービス(NHS)を守り」、「感染曲線を平らにした」ことを評価。しかし、ロックダウン緩和の方法や時期には言及しなかった。

(1)日別の死者数が毎日減り続け、(2)NHSが感染者に十分対応できると確認でき、(3)新しい感染者の発生も「対応可能」な範囲まで下がり、(4)検査キットや医療用防護具が十分供給され、(5)行動制限を緩和しても第2の山がやってこないと確信できるという、この5つの条件が満たされるようになれば、「その時こそ、感染対策の次のフェーズに移行する」と首相は述べた。

首相はさらに、政府によるロックダウン解除の決定は「最大限の透明性」と共に行うと強調した。

その上で、「それでも、そうした変化をどれだけ速やかに、あるいはどれだけゆっくりと、そもそもいつ実施するのか、今はともかく言明できない。もちろん政府は今後数日の内に、さらに説明を重ねていく」と付け足した。

ジョンソン氏は3月末に新型ウイルスに感染。首相官邸で自主隔離しながら公務を続けていたが、4月5日にロンドン市内の病院に入院した。一時は緊急治療室(ICU)で酸素供給を受けたものの、12日に退院し、ロンドン郊外の首相公式別荘「チェッカーズ」で静養していた。

<関連記事>

イギリス政府は3月23日夜から、市民に必要不可欠な場合を除き自宅待機を要請し、多くの事業を休業させた。家族以外の2人を超える集まりも禁止した。

政府はロックダウン措置を3週間ごとに点検する義務があり、今月15日の時点では「少なくとも」あと3週間は続ける必要があると発表していた。次回の検討期限は5月7日。

一方で政府は今月30日までに、毎日10万件の新型ウイルス検査を実施すると目標を掲げているが、25日の検査は2万9058件にとどまった。

BBCの朝の情報番組「ブレックファスト」では27日、エドワード・アーガー健康担当閣外相が、政府は検査件数を「劇的」に増やしていると説明した。

最大野党・労働党のルーク・ポラード影の環境相は、ロックダウンについて政府の透明性拡大を歓迎。労働党として政府に、ロックダウン解除の戦略を公表するようあらためて要求した。

Presentational grey line
Coronavirus graphic on what you need to do

感染対策

在宅勤務・隔離生活

Bottom of the web banner