イギリスの13歳少年、新型ウイルスで死去 国内最年少

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イギリス・ロンドンの病院で30日、新型コロナウイルスの感染症(COVID-19)にかかった13歳の少年が死亡した。同国においてこれまでで最も若い新型ウイルスの死者とみられる。
亡くなったのは、ロンドン南部ブリクストンのイスマイル・モハメド・アブダルワハブくん。ロンドンのキングス・コレッジ病院が死去を発表した。
家族によると、イスマイルくんに基礎疾患はなかった。26日に呼吸困難などの症状が出て入院し、27日に検査でCOVID-19にかかっていることが確認された。人工呼吸器を使用し、医師によってこん睡状態に置かれていたという。
家族は「途方もない悲しみ」にくれているとする声明を、遺族の友人が発表した。
イギリスの新型ウイルスによる死者は現地時間30日午後5時現在、1789人となっている。前日より381人増えており、1日あたりの死者数としては最多を記録した。
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BBCのニック・トリグル健康担当編集委員は、10代が新型ウイルスで深刻な状態に陥るのは珍しいと指摘する。
「症状が出た人の0.3%しか病院での治療を必要とせず、0.006%しか亡くならない。つまり、この年代では3万人に2人が生き残れないことになる」
「しかし、この痛ましい事案のように、実際に起こることだ」
イスマルくんの姉が教員として勤めるロンドン南西部のマディナ・コレッジでは、葬儀費用の募金が始まった。
募金に関するウェブページに掲載された声明は、イスマイルくんが「COVID-19の高い感染力のため、家族の誰もそばにいない」状況で亡くなったとした。
子どもは症状が軽い傾向
BBCのリチャード・ウェアリー健康担当副編集長は、COVID-19では、子どもは大人に比べて致死率はずっと低く、症状も軽い場合が多いと説明。子どものほうが高リスクのインフルエンザとは反対だとする。
また、子どもの免疫システムは未熟で過剰反応しやすいが、新型コロナウイルスに対してはそうした傾向がみられないという。
理由は明らかではないが、一説として、子どもは大人と違い、より穏やかな他の種類のコロナウイルスにさらされたことがないからだとする見解もあるという。
専門家たちは、イスマイルくんの死去を重く受け止めるべきだと訴える。
キングス・コレッジ・ロンドンの臨床講師ナタリー・マクダーモット博士は、「COVID-19では慢性的な基礎疾患があると悪化しやすいとされているが、健康問題のない若者がこの感染症で亡くなるケースを耳にしている」と指摘。背景を探ることが大事だと強調した。
「自分さえよければいい」は受け入れられない
インペリアル・コレッジ・ロンドンで感染症とウイルス学を研究するヴァネッサ・サンチョ=シミズ博士は、「今回のケースがどれだけ極めて珍しいとしても、身近な人に起これば統計など意味をもたなくなる。このパンデミック(世界的流行)では自分さえよければいいという考えは全く受け入れられない」と述べた。
レディング大学准教授のサイモン・クラーク博士(細胞微生物学)は、「中国などの国々から学ぶべきは、高齢者はコロナウイルスの感染で亡くなる確率がずっと高いが、若者も決して影響を受けないわけではないということだ」と主張。
「子どももウイルスに感染する。症状は軽いことが多いが、ウイルスを他のもっと弱い人に伝染させる恐れがある。場合によっては子どもの症状が悪化し、死に至ることもある。家から出ず、手を洗い、他人から距離を取るという保健当局の助言を真剣に受け止める必要があることを、今回のことは私たちに告げている」










