「強化尋問」を考案の心理学者が証言 米同時攻撃、公判前審問

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キューバ・グアンタナモ米軍基地で21日、2001年の米同時多発攻撃への関与が問われている被告の公判前審問が開かれた。グアンタナモ収容所での米中央情報局(CIA)による「強化尋問」の考案に協力した米国人心理学者が証言した。
心理学者のジェイムズ・ミッチェル氏は、同時多発攻撃の遺族が出席することから、グアンタナモで証言することに同意したと述べた。
ミッチェル氏は、同僚の心理学者ブルース・ジェッセン氏とともに、物議を醸している「水責め」を含むCIAの「強化尋問」手法を考案した。
現在グアンタナモに収容されている、同時多発攻撃の首謀者とされるハリド・シェイク・モハメド被告ら5人は、テロ行為や約3000人の殺害を含む、戦争犯罪の罪に問われている。
裁判は2021年1月11日に開始される予定で、有罪となれば死刑が言い渡されることとなる。
同時テロの被告を拷問か
モハメド被告は、収容所内で繰り返し拷問を受けたと主張している。CIAの資料では、同被告に対して水責めが計183回行われていたことが確認されている。
ワリド・ビン・アタッシュ被告、ラムジ・ビン・アル・シブ被告、アマール・アル・バウチ被告、ムスタファ・アル・ハウサウィ被告も、米軍施設へ引き渡される前、世界各地にある「ブラックサイト」と呼ばれるCIAの収容ネットワークの施設で尋問を受けていた。
被告5人の弁護団は、被告はCIAの「強化尋問」で自白を強要されたとして、供述書を証拠として採用しないよう求めている。

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「犠牲者と遺族のため」に出廷
米紙ニューヨーク・タイムズによると、ミッチェル氏は、被告の弁護団の1人に対し、自分が審問への出廷に同意したのは、犠牲者と遺族のためであり、あなたのためではない」、「あなた方は、数年にわたり、私やジェッセン博士について虚偽で悪意のある発言をしてきた」と述べた。
被告らは表情を変えずに、ミッチェル氏を見ていたという。
同時多発攻撃の遺族グループは、カーテンで仕切られた場所から審理を傍聴したと、ニューヨーク・タイムズが報じた。
公判前審問は2週間続く予定。
水責めの実態
CIAは同時多発攻撃以降、ほかの尋問方法に加え、水責めも行うようになった。
対象者は、斜めに置かれた板に頭を下にして固定され、口に布をかけられる。その上から水を注がれ、肺が水で満たされる感覚に襲われるという。
米上院情報特別委員会は2014年、こうした取り調べで重要な情報は得られていなかったと結論付けた。しかし、一部のCIA元職員は、実用的な情報を引き出すことができたと主張した。
バラク・オバマ前大統領は2009年、取り調べの手段としての拷問を禁止した。
一方、ドナルド・トランプ大統領は、水責めには自白を引き出す効果があると主張。「我々は火には火をもって戦わなければならない」と述べた。







