英議会が開会、離脱協定法案の採決へ

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イギリスのボリス・ジョンソン首相は19日、欧州連合(EU)離脱協定を国内で法制化するための離脱協定法案を発表した。20日にも最初の採決を行う予定。
この日、開会したイギリス議会では、女王の演説で保守党政権の施政方針が発表され、離脱協定法案の内容も明らかになった。
これには、ブレグジット(イギリスのEU離脱)において、通商協定などの交渉を行う移行期間の延長を認めないとする条項も含まれている。
政府は2020年1月31日のブレグジット期日までにこの法案を成立させたい考え。ジョンソン大統領は、この法案によって「遅れと憎しみ」を終わらせ、「確実性」をもたらすと述べた。
これに対し野党は、この法案はイギリスの未来を不確実にすると指摘。また、EUとの通商協定締結には何年もかかるとして、移行期間の制限に懸念を示している。
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ジョンソン政権とEUは10月にブレグジット協定に合意した。
議会はその直後、政府が提出した協定法案を可決したものの、当時の10月31日という離脱期限までに法案を成立させるための短期審議日程案は否決した。
このため、ジョンソン首相は離脱期日の延期を受け入れるとともに、12月の総選挙実施に踏み切った。
今回、提出される離脱協定法案はいくつかの変更が加えられている。
- 政府がブレグジット後の移行期間を2020年12月31日以降に延長することを法的に禁じる
- ブレグジット後にイギリス法として保持される欧州司法裁判所(ECJ)の判決について、イギリスの裁判所に再考の余地を与える
- 閣僚は、離脱協定に基づくEUとの摩擦について、毎年、議会に報告する義務を追う
- 「現在は役割を失った」法律を廃止する
一方で、労働者の権利を強化するという条項は削除された。
政府は、この問題は別個の法律で取り扱うとしているが、労働組合会議(TUC)は、この変更は労働条件を「引き下げる」要因になると警告している。
今後の予定は?
下院は20日にも法案の2回目の審理を行い、その大綱について採決を行う予定。
与党・保守党は先の総選挙で、全野党より80議席多い過半数を下院で得ているため、法案は午後3時(日本時間21日午前0時)にも可決される見込みだ。
また、年明けの1月7~9日にも、法案に関する審議が行われる見通し。

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ジョンソン首相は20日の審議に先立ち、「我々は国民に対する約束を実現し、クリスマス前にブレグジットの投票を終わらせる」と語った。
テリーザ・メイ前首相がEUと取りまとめた離脱協定は議会で3度にわたって否決されたものの、ジョンソン首相は下院で過半数議席を握っているため、批准まで容易にこぎ付けられるとみられている。
ジョンソン氏は、「議会で何年にもわたった遅れと憎しみの後、我々は確実性をもたらそうとしている。イギリス全土で一生懸命に働く国民や企業は、将来を築く確固たる土台を手に入れる」と述べた。
「来年はイギリスにとってすばらしい年になるだろう。ブレグジットを実現させ、国民保健サービス(NHS)への支出を増やし、インフラに投資し、偉大なイギリス中で機会と富の水準を引き上げよう」
野党の反応は
最大野党・労働党のサー・キア・スターマー影のEU離脱担当相は、移行期間を11カ月に限定するジョンソン氏の決断は「無謀で無責任」だと批判。首相は「国民の雇用を危険にさらそうとしている」と述べた。
また、同党のジェレミー・コービン党首も、ジョンソン氏は移行期間の終わる2020年12月末に「故意に合意なしブレグジットの脅威を復活させようとしている」と話した。
「国民が、次に進むことを切望しているのは理解している。だからといって、首相の無謀なやり方をただ認めるということではない」









