トランプ氏発言に「脅威を感じた」 解任のウクライナ大使が証言

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ドナルド・トランプ米大統領の弾劾調査で、ウクライナ疑惑の解明において鍵を握る1人とされる前ウクライナ大使の証言記録が4日、公表された。前大使は大統領の含みのある発言を脅威に感じていたことが明らかになった。
ウクライナ疑惑をめぐる下院委員会での証言は非公開だったが、下院が正式に弾劾調査を開始したことで、民主党が証言記録の公開を始めている。
前ウクライナ大使は、外交官歴が長いマリー・ヨヴァノヴィッチ氏。
同氏の証言記録によると、トランプ氏はウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との電話会談で、「彼女(ヨヴァノヴィッチ氏)は苦労することになる」と述べたという。
「衝撃」と「強い懸念」
ヨヴァノヴィッチ氏は10月11日、下院委員会でウクライナ疑惑について証言した。
同疑惑では、トランプ氏が7月25日にゼレンスキー氏と電話会談をした際に、来年の大統領選で対決する可能性があるジョー・バイデン前米副大統領(民主党)とその息子への捜査を求めたとされる。
公開された証言記録によると、トランプ氏のゼレンスキー氏との電話会談における発言に対して、ヨヴァノヴィッチ氏は「衝撃」を覚えたと述べた。

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また、「何を意味しているのかわからなかった」、「強い懸念を覚えた。今も同じだ」と供述した。
電話会談の概要は、すでに政府が公開している。それによると、トランプ氏がヨヴァノヴィッチ氏のことを「悪い知らせ」と述べる場面もあった。
トランプ氏を賞賛するよう助言
証言記録によると、ヨヴァノヴィッチ氏がトランプ支持者のゴードン・ソンドランド駐欧州連合(EU)大使に助言を求めると、大使からは、トランプ氏をたたえるツイートを投稿するよう言われたと述べた。
ソンドランド氏からは、「思い切ってやるか帰国するかだ」と言われたという。ヨヴァノヴィッチ氏は、助言には従えないと思ったと供述した。
ジュリアーニ氏が暗躍か
ヨヴァノヴィッチ氏はさらに、トランプ氏の顧問弁護士ルディ・ジュリアーニ氏が2018年後半、ウクライナ政策を影で実質的に担当し、ヨヴァノヴィッチ氏を蚊帳の外に置くようになったと証言。
ジュリアーニ氏について、「大統領選立候補にダメージを与え得る」情報を入手するため、バイデン氏と息子について調査したいと思っていたと述べた。
ジュリアーニ氏ついてはまた、ヨヴァノヴィッチ氏に関する「偽の情報」を広めて「アメリカにおける」彼女の信用を「傷つける」よう、ウクライナのユーリ・ルツェンコ検事総長(当時)に協力を求めていたと証言した。
「策略に気をつけろ」
ヨヴァノヴィッチ氏の証言記録によると、同氏はウクライナの司法相から、「策略に十分気をつけたほうがいい」と警告された。
ヨヴァノヴィッチ氏は予定より何カ月も早く、5月にウクライナを離任した。上司から4月に電話があり、すぐに帰国するよう命じられたと証言した。
また、「彼女(上司)は私の身の安全と幸せのためだみんな心配していると言った」と述べた。
ビザ発給で便宜か
ヨヴァノヴィッチ氏は、ヴィクトール・ショーキン元検事総長がアメリカの観光ビザを取れるよう、ジュリアーニ氏が手助けしたとも証言していた。ショーキン氏は「不正活動が確認されている」として、米国務省からビザ発給を拒否されていた。
ショーキン氏は、バイデン氏やアメリカ以外の西側諸国の政府関係者が、汚職疑惑を理由に解任を画策したとされる人物。共和党は、バイデン氏がショーキン氏の解任を求めたのは、バイデン氏の息子が役員をつとめていたウクライナのエネルギー会社ブリスマに対し、ショーキン氏が捜査を決定したためだと主張しているが、証拠は挙げていない。
ジュリアーニ氏がなぜ、ショーキン氏のビザ発給に便宜を図ったのかは不明だ。
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「内政に大使館を利用」
この日、下院情報委員会が公開した証言記録には、マイク・ポンペオ国務長官の元側近のマイケル・マッキンリー氏による、先月の証言も含まれていた。
マッキンリー氏は、トランプ氏とゼレンスキー氏の電話会談の内容が公表された後、ヨヴァノヴィッチ氏を支持する声明を出すようポンペオ氏に勧めたが、同氏に「このタイミングではしないほうがいい」と言われたと証言した。
マッキンリー氏は先月、下院委員会での証言の数日前に辞任している。
辞任の理由について同氏は、「内政上の目的でネガティブな政治情報を入手するのに大使館が関わっている」ことへの懸念を挙げた。
「私の辞任のタイミングは2つの重なり合う懸念の結果だ。1つは、外交に関わる職員が弾劾調査の渦中にあるのに、私の見解では国務省が支援をし損ねていること。2つ目は、海外の大使を利用して内政目的の利益を得ようとしていると思えることだ」と、マッキンリー氏は下院委員会で供述した。
懸念の中身が詳細に
BBCのアンソニー・ザーカー北米担当記者は、2人の証言記録が公開となったことで、米政府が裏ルートでウクライナ政府に圧力をかけた懸念が、いっそう深く詳しく、かたちを現してきたと解説する。
この日は、政府職員4人が下院委員会での証言を求められていたが、これに応じなかった。









