米朝、7カ月ぶりの非核化協議で食い違い 「決裂」? 「良い話し合い」?

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北朝鮮の非核化に向けた米朝の実務者協議が5日、スウェーデン・ストックホルムで約7カ月ぶりに再開された。停滞する非核化交渉の打開が期待されたものの、北朝鮮側は交渉が決裂したと発表。一方のアメリカは「良い話し合い」だったとしており、両者の主張は食い違っている。
米朝実務者協議が行われるのは、今年2月にヴェトナム・ハノイでのドナルド・トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長による会談で、交渉が決裂して以降、約7カ月ぶり。
北朝鮮の金明吉(キムミョンギル)首席代表と米国務省のスティーヴン・ビーガン北朝鮮担当特別代表は、ストックホルム北東のリディンゲ島で、協議に臨んだ。ストックホルムには北朝鮮大使館がある。
両者の主張
協議を終えた金首席代表は5日夜、北朝鮮大使館前で記者団に対し、「交渉は我々の期待に沿わず、決裂した」と述べた。
「アメリカは、柔軟なアプローチや新たな方法、創造的な解決策といった提案をすることで期待を高めたが、我々を大いに失望させた。アメリカは自分たちの古い立場や姿勢を手放さないようだ」

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しかし、北朝鮮のこの発表から間もなく、米国務省はこれと反対の内容の声明を発表した。
モーガン・オーテイガス国務省報道官は声明で、「先の北朝鮮代表団による発表は、本日の8時間半にも及ぶ協議の内容や精神を反映していない。アメリカは、創造的なアイデアを提示し、北朝鮮側と良い話し合いを行った」と強調した。
報道官はさらに、2週間後にスウェーデンで協議を継続してはどうかというスウェーデン政府の提案を受け入れたとしている。
「米朝会談の布石」
今回の実務者協議開催を、次の米朝首脳会談への布石として見る声は多かった。
両首脳はこれまでに3回、会談を行ってきた。2018年6月シンガポールでの1回目の会談では、非核化をめぐりあいまいな合意文書に署名。具体的な結果はもたらされなかった。
今年2月ヴェトナム・ハノイで開かれた2回目の会談では、いかなる合意もなされず、金委員長は当初の日程を切り上げて会場を後にした。
6月にも、韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線のある板門店で再会。2、3週間の内に実務者協議を再開することで合意したものの、進展はなかった。
実務者協議直前に発射実験
北朝鮮は協議に先立ち、新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「北極星3」を発射した。短距離ミサイルよりも射程距離が長いSLBMの発射は、2016年8月以来約3年ぶりで、事態は深刻化している。

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核弾頭を搭載可能な「北極星3」の発射は、今年に入って11回目の発射実験だった。
実験では海中に設置した発射台が使用されたとみられるが、本来は潜水艦から発射するタイプ。つまり、北朝鮮は自国の領土以外からミサイルを発射できる可能性がある。
アナリストは、北朝鮮はアメリカからの譲歩を得るために圧力を強める狙いがあったと見ている。







