東京五輪カヌー会場に雪 暑さ対策の実験、結果は…

画像提供, EPA
13日午前、最高気温25度の東京に季節はずれの雪が舞った。
地球温暖化による異常気象ではなく、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会による、暑さ対策の実験だ。
五輪が開かれる東京の7月の最高気温は35度程度で、湿度は約80%。そのため、観客が熱中症にならないか懸念されている。
氷300キロを使用
実験は、2020年東京オリンピック・パラリンピックでカヌー・ボート競技が開催される、海の森水上競技場で行われた。
この会場の約2000席のうち、半数には屋根がない。当初は全面を屋根で覆う予定だったが、経費削減により規模が縮小された。
この日は、組織委関係者や報道陣が屋根のない客席に着席。組織委が約300キロの氷を使い、約5分間、降雪機で人口雪を降らせた。
気温に変化なし
目的は、気温や湿度が下がるかどうかを確認すること。しかし、組織委が期待していた結果ではなかったかもしれない。
降雪開始前は25.1度だったの気温は、降雪後も変わらなかったのだ。

画像提供, EPA

画像提供, EPA
人工雪で「清涼感」
組織委の岡村貴志メイン・オペレーション・センター(MOC)統括部長は、BBCの取材に対し、予想とは違う結果だったが、人工雪には別の効果があったと述べた。
岡村MOC統括部長は、「観客に清澄感を与え、一つのイベントとしても楽しめる」と述べた。
<関連記事>
人工雪、ミストシャワー、かぶる日傘
降雪機は、これまでも音楽フェスティバルなどのイベントで用いられている。半径約15メートルに雪を降らすことができるというが、運用コストは明らかにされていない。
降雪機導入について、組織委は、同日午後に2回目の実験を行うなど検証を重ね、判断するとしている。
組織委の大会運営局会場サービス部長の松本智明氏は、今日は1度目の実験だと前置きした上で、降雪機を使用する可能性はあると述べた。
2013年に東京での開催が決定して以降、組織委はミストシャワーやかぶる日傘など、暑さ対策を打ち出している。

画像提供, AFP/Getty
毎年猛暑
東京では近年、猛暑が続いており、2020年大会への不安を払拭できずにいる。
猛暑に見舞われた2018年7月には、気象庁が会見で、「命の危険があるような暑さ」、「一つの災害と認識している」と伝えた。総務省消防庁によると、この年の5月から9月までの間に、熱中症で死亡した人の数は160人に上った。
今夏では、熱中症で救急搬送された人は、8月だけでも2万人を超えている。
距離を短縮、開始時刻の繰上げも
先月、お台場海浜公園で、トライアスロンの東京五輪テスト大会を兼ねた予選が行われた際には、ランに入る前に気温が32度になると予測された。
そのため、選手の安全を考慮して、通常10キロの距離を5キロに短縮した。
暑さ対策をめぐっては、一時はサマータイム導入も検討されたものの、見送りとなった。
マラソンや20キロ競歩は、当初の計画から1時間早い午前6時に、50キロ競歩は午前5時30分開始となった。
パラリンピックでの懸念
東京都は、マラソンコースとなっている道路で「遮熱性舗装」を進めてきた。この舗装では、路面温度の上昇を最大8度程度抑制することができるという。これまでに、約130キロが整備された。
路面の暑さ対策は、とりわけパラリンピック選手にとって重要だ。ハンドサイクル(競技用車いす)を使う選手の場合、より地面に近い位置を走ることとなり、温度も2度から3度ほど高くなると予想される。










