パキスタン、カシミール問題で国際司法裁に提訴へ 「法的側面を熟考した結果」と
パキスタンは20日、隣国インドと長年にわたり領有権を争ってきたカシミール地方の問題について、国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)に提訴する考えを明らかにした。
パキスタンのシャー・マフムード・クレシ外相はこの日、ARYニュース・テレビに対し、「我々は、カシミール問題について、ICJへ提訴することを決めた」と述べた。
「すべての法的側面を検討した上での決断だ」
クレシ外相は、カシミールにおけるインドによる人権侵害の疑いが、主な争点になるだろうと説明した。カシミール地方ではイスラム教徒が多数を占める。インド側は人権侵害について否定している。
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各国の対応
イギリスのボリス・ジョンソン首相は、インドのナレンドラ・モディ首相との電話会談で、カシミール問題は、インドとパキスタンが対話で解決すべきだと伝えた。
仏政府高官は20日、エマニュエル・マクロン大統領は22日にパリでモディ首相と会談する際、カシミール問題について話し合う考えだと明かした。
インド・パキスタンの緊張
カシミールをめぐっては、インドが5日、同国が実効支配するジャンムー・カシミール州に70年間にわたって認めてきた自治権を剥奪した。
この決定を受け、パキスタンは7日、インドとの外交関係の格下げを発表。二国間貿易の停止や交通の停止に加え、インドの駐パキスタン大使を追放した。

カシミール問題の背景
カシミールはヒマラヤ山脈の麓の地域で、インドとパキスタンがそれぞれカシミール全土の領有を主張している。現在では、国連が監督する停戦ラインが合意され、それぞれがカシミール地方の一部を実効支配している。
インドが実効支配するジャンムー・カシミール州の住民には、70年にわたり特別な権限が付与されていた。
ところが、独自の立法・行政・司法制度といった一定の自治性を認める憲法370条が、5日に廃止された。これにより、同地域は連邦州の立場から格下げされ、連邦政府管轄下の2つの小さな領地に分割されることとなる。
反発を想定し、インドは同州を封鎖し、通信を遮断した。それでも、州の住民による抗議が頻繁に起こり、時には暴力的なものへとなっている。
AP通信による分析によると、州が封鎖される中、少なくとも2300人が拘束された。そのほとんどは若い男性だという。
ジャンムー・カシミール州では約30年にわたり、暴力的な対立が続いてきた。インドからの独立またはパキスタンへの編入を求める分離運動による争いで、すでに数万人が犠牲になっている。
次に何が起こるのか
たとえパキスタンがICJに提訴しても、両国があらかじめICJ判決を受け入れると合意して紛争解決を付託したのでない限り、ICJの判決に拘束力はない。












