トランプ米大統領、銃乱射の2市を訪問 抗議デモも

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ドナルド・トランプ米大統領は7日、銃乱射事件のあったテキサス州エルパソとオハイオ州デイトンを訪れ、事件現場に急行した救急隊員や、銃撃で負傷した人たちと面会した。訪問先では銃規制を求める抗議が行われたほか、トランプ氏の人種差別的な発言を批判する声もあった。一方、トランプ氏を支持する住民も対抗デモを行った。さらに、銃乱射と精神疾患を結びつけるトランプ氏の主張については、米精神医学会が危険な発言だと声明で警告した。
エルパソでは3日に22人が死亡、26人が負傷する銃乱射事件が発生。ヒスパニック系住民への憎悪(ヘイト)が原因とみられている。
4日未明にはオハイオ州デイトンでも乱射事件が起き、9人が死亡、27人がけがをした。犯行の決定的な動機は分かっていないものの、警察は「銃撃犯が暴力的なイデオロギーを探っていた」証拠を見つけたと明らかにしている。
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エルパソでは、グレッグ・アボット・テキサス州知事とエルパソのディー・マーゴ市長が、トランプ氏とメラニア夫人を出迎えた。
トランプ大統領は訪問前にワシントンで、「さまざまな憎悪グループの台頭を懸念している。(中略)白人至上主義も (中略)それ以外の至上主義も」と述べた。
ただトランプ氏自身も、かねてヒスパニック系の人々への憎悪をあおる発言をしたとして批判されている。
エルパソの事件の容疑者は、インターネットに「この攻撃はヒスパニック系によるテキサス侵略に対抗するものだ」というメッセージを書き込んだとされている。このメッセージには、トランプ氏が米・メキシコ国境の不法移民問題で頻繁に使う「侵略」など、大統領のよく使う言葉が多く利用されていた。

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野党・民主党のヴェロニカ・エスコバル下院議員(エルパソ選出)はトランプ氏との面会を拒否し、「大統領の人種差別と憎悪にまみれた言動」が、アメリカやエルパソを苦しめる原因になったと批判した。
エルパソ市内では「エルパソは強い」と題されたデモ行進が行われ、エスコバル氏のほか、2020年大統領選の民主党候補選に出馬しているベト・オローク前下院議員も参加した。
オローク氏をめぐっては、スペイン語由来の愛称「ベト」をトランプ大統領がツイッターで「にせもの」と中傷。それに対してオローク氏が、「あなたの人種差別に鼓舞されたテロ行為で、私の地元で22人が亡くなった。エルパソも私も黙っていない」と応戦した。

また、トランプ氏のエルパソ訪問中には民主党候補選で最有力候補とみられているジョー・バイデン前副大統領も、トランプ氏が「白人至上主義の炎をあおっている」と非難した。
「赤ちゃんトランプ」の巨大風船も
9人が亡くなったオハイオ州デイトンでは、ナン・ウェイリー市長(民主党)がトランプ夫妻を出迎えた。
ウェイリー市長はその後、記者団に対し、「大統領は私の話を聞いてくれたと思う。常識的な銃規制について何か行動を起こすかは分からないが」と話した。

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トランプ夫妻は市内の病院で負傷者や家族に面会し、「神様が見守っていた。私たちもずっと側にいると、知ってほしい」と語りかけた。
一方でロイター通信によると、病院の外では抗議者が「赤ちゃんトランプ」の巨大風船をあげ、「何かしろ」、「私たちの町を守れ」、「あなたが原因」といったプラカードを掲げた。

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参加者の1人はCBSの取材に対し、「彼は大統領でたくさんの権力があるが、それを暴力を駆り立てることに使っている。平和のために使ってもらわなくてはならない」と語った。
「トランプ大統領はアメリカに分裂を生んでいる。私たちは声を上げなくてはならない。こうした武器の状態はおかしい、規制しなければ」

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精神医学会が警告
トランプ大統領が精神疾患と銃乱射を結び付けようとしていることに対し、医学界からは批判の声が上がっている。
トランプ大統領は5日に行った演説で「引き金を引くのは精神疾患と憎悪だ。銃そのものではない」と発言。7日にも、「病気の人の手に銃を渡したくない」と述べた。
また、精神疾患関連法の改革を求めており、銃撃犯は「精神を病んだ怪物だ」と話した。
これに対し、アメリカ精神医学会は声明を発表。銃撃を非難するとともに、精神科の患者にらく印を押すことに警告を発した。
「精神疾患を抱える人々のほとんどは暴力的ではなく、暴力行為の加害者になるより、被害者になる可能性の方がはるかに大きい。これは重要な点だ」
「これと正反対のことを主張する言い回しは、治療を必要する人々をさらに傷つけ、治療から遠ざけることになる。人は、公の場の議論や分裂をあおる物言いによって駆り立てられ、暴力的になることもある」











