アカデミー賞スピーチを中国サイトが検閲 「ゲイの男性」を「特別な集団」と
ケリー・アレン記者、クリス・ベル記者BBCモニタリングおよびBBCニュース

画像提供, Getty Images
中国のインターネット動画配信サイトの芒果(マンゴー)TVが、今年のアカデミー賞授賞式で主演男優賞を受賞したラミ・マレックさんの受賞スピーチを修正し、批判の声が上がっている。マレックさんはこのスピーチで、同性愛に言及していた。
マレックさんはイギリスのロックバンド「クイーン」の軌跡を描いた「ボヘミアン・ラプソディ」で、ボーカルのフレディ・マーキュリーさんを熱演した。受賞スピーチでは、この映画は自らのアイデンティティーに苦しむ人々を助けることができると語った。
「私たちはゲイの男性で移民で、言い訳せず、自分らしく生きたあの男性の映画を作りました」
しかし芒果TVは、この「ゲイの男性」という言葉の使用を避け、「特別な集団」と置き換えて翻訳した。
同サイトは以前にも、欧州で人気の歌合戦「ユーロヴィジョン・コンテスト」で、性的少数者(LGBT)への言及を検閲したことが批判された。
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中国のソーシャルメディア「微博(ウェイボー)」では、数万人のユーザーが芒果TVの画面写真と共に誤訳を批判した。
著名音楽ブロガーのリン類国度(リンは口に刀)さんが微博で「芒果TVが『ゲイの男性』を『特別な集団』と訳した」と指摘した投稿は、1万5000回以上共有された。
別のユーザーは、「今の社会では、いわゆる『特別な人たち』に偏見を持ったり差別したりする人が、まだ大勢いる。『ゲイ』という単語が画面に出ることも許されない。なんて悲しいんだ」と書いた。
「いったい何を怖がってるんだ」と書く人もいた。
ユーロヴィジョンでもLGBTを検閲
芒果TVは2018年にも、「ユーロヴィジョン・ソング・コンテスト」の中継画面からLGBTを象徴する虹色の旗にぼかしをかけるなどの検閲を行った。これを受け、欧州放送連盟(EBU)は同社による中継を禁止した。
EBUは検閲について、「普遍性と包括性というユーロヴィジョンの価値や、音楽を通じて多様性を称賛するという我々の誇りある伝統に反する」としている。

画像提供, Mango TV
芒果TVはインターネットでの批判に反応していない。
中国当局は近年、自分たちが不適切とみなす内容の検閲に力を入れている。
今年4月には微博が、同性愛関連の投稿を禁止するといったん発表したものの、大々的な非難を受けて決定を撤回した。










