北朝鮮、拘束米国人3人解放 米朝首脳会談を前に

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北朝鮮は9日、拘束していた米国人3人を解放した。ドナルド・トランプ米大統領がツイッターで明らかにした。
解放はトランプ氏と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との歴史的会談を前にした、友好の意思表示とみられている。
トランプ氏は、会談調整のため平壌を訪れたマイク・ポンペオ米国務長官と共に3人が帰国した際には、自分自身が出迎えると書いた。
ホワイトハウスによると、キム・ハクソン氏、トニー・キム氏、キム・ドンチョル氏の3人はいずれも「補助なしで」飛行機に搭乗したという。3人は反政府行為罪などで拘束され、労働収容所に勾留されていた。
トランプ氏は9日、「北朝鮮から飛行機で帰国中のマイク・ポンペオ国務長官に、皆がとても会いたがっている素晴らしい紳士3人が同乗中だと報告できて嬉しい。元気なようだ。そして金正恩と良い会談だった。日取りと場所が決まった」とツイートし、3人の解放を明かした。
ポンペオ氏の訪朝に同行した記者団によると、ポンペオ氏と金氏の会談は90分に及んだという。
トランプ氏は別のツイートで、米メリーランド州のアンドルーズ空軍基地に9日午前2時(日本時間同日午後3時)に到着予定の3人を、自ら出迎えるつもりだと付け加えた。
その後の声明でトランプ氏は、会談の場所は「3日以内に」発表されると明らかにした。会談場所は非武装地帯(DMZ)として知られる、北朝鮮と韓国を隔てる軍事境界線にはならないとも付け加えた。

解放された3人は
- キム・ハクソン氏は2017年5月、「敵対行為」の疑いで拘束された。同氏は自分をキリスト教伝道師だとし、平壌科学技術大学(PUST)で実験的な農場を始めようとしていると説明していた。
- トニー・キム氏はキム・サンドクという名前でも知られ、キム・ハクソン氏と同じくPUSTで勤務していた。トニー・キム氏は2017年4月にスパイ容疑で拘束された。韓国メディアによると、同氏は北朝鮮の人道支援にかかわっていたという。
- キム・ドンチョル氏は60代前半の牧師。2015年にスパイ容疑で拘束され、その後10年の重労働刑を言い渡されていた。

拘束された3人のうち1人は2015年に労働収容所に収容され、残りの2人は1年余りを収容所で過ごした。3人に対する有罪判決は政治的なもので、人権侵害だと広く非難されている。
ポンペオ国務長官は6週間ぶり2回目となる訪朝を前に、北朝鮮が「正しいことをし」、拘束者を解放するだろうと話していた。 同氏は9日、ツイッターに「平壌で金正恩委員長と生産的に会談し、進展を得た。米国人3人を連れて帰るのは、非常に嬉しい」と投稿した。
拘束米国人の処遇は米朝首脳会談の実現に向けて、重要な要素となっていた。
解放への反応は
韓国大統領府の青瓦台は米国人の解放を歓迎し、今後の交渉に「前向きな影響」があるだろうと述べた。
青瓦台の尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席秘書官はまた北朝鮮に対し、同様に拘束されている韓国人6人の解放も求めた。

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尹氏は「韓国と北朝鮮の融和を促進し、朝鮮半島に平和を広めるため、拘束韓国人の速やかな送還を望む」と述べた。
トニー・キム氏の家族はBBCに提供された声明で、「彼の帰還に向けて取り組み、貢献してくれた全ての人々に感謝したい」と述べた。また家族は「北朝鮮と直接やり取りしたことについて、大統領にも感謝したい」と話した。
北朝鮮の強制収容所はどんな場所なのか
米国の人権団体「北朝鮮人権委員会」(HRNK)によると、北朝鮮では約12万人が適正な手続きなしに収監されていると考えられている。
韓国製DVD観賞から亡命未遂に至るまで、住民はあらゆる罪状で政府に拘束される恐れがあるという。
そのなかでも政治犯は、専用に収容所に送られることが多い。大抵は過酷な労働収容所で、鉱山採掘や木材伐採など厳しい肉体労働が課される。

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重労働罪を課されていた米国人宣教師のケネス・ベ氏は、悪い健康状態にもかかわらず牧場で週6日の労働を強制されたという。
一番最近解放された米国人、ホテルの政治宣伝ポスターを盗もうとした罪で拘束されていたオットー・ワームビア氏は、昨年解放されたが致命的な健康状態で、帰国後ほどなくして死亡した。
両親のフレッド・ワームビア氏とシンディ・ワームビア氏は、「解放された拘束者やその家族と共に喜んでいる。オットーが恋しい」と話した。
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<解説>韓国も同じ成果を上げられるのか?
ローラ・ビッカー BBCニュース(ソウル)
米国の状況は進展したが、韓国にとってはそうではない。韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、軍事境界線上で開かれた金正恩氏との歴史的な会談中、北朝鮮に拘束されている韓国人6人の問題を話題にしていた。
しかし、6人はまだ帰還できていない。ソウルの大統領府声明で韓国政府は、「朝鮮半島で始まった平和な雰囲気」のなかで拘束者が近く戻ってくることを望むとしている。
朝鮮戦争の停戦以降、韓国人3835人が北朝鮮に拉致された。ソウルに拠点を置くシンクタンク、峨山(アサン)政策研究院の調査によると、その内3319人は帰国を許されたか脱北した。つまり、北朝鮮でどうなったのか分からない韓国人が、516人いるということだ。
北朝鮮は、韓国人の多くは本人の自由意志で北朝鮮に残っていると主張している。しかし家族は異議を唱えており、独立した第三者による検証を求めている。
加えて、離散家族もいる。朝鮮戦争後に韓国と北朝鮮を分けた軍事境界線によって、北朝鮮から韓国へ亡命したことで、家族と引き離された人たちだ。
私は、2011年1月からずっと母親と会えずにいる10代女性に会ったことがある。彼女はお別れを言った正確な時間を覚えている。
和平交渉の開始は、韓国系米国人3人にとって家族再会につながった。ここ韓国の人たちは、もっと多くの家族の再会実現を期待している。










