容疑者は女性嫌いのグループに言及 トロント・バン暴走

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カナダ・トロントで23日、バンが歩行者を次々とはね、10人が死亡し、15人が負傷した事件で、アレク・ミナシアン容疑者(25)が犯行直前にフェイスブックに投稿していたことが分かった。
投稿では、2014年に米カリフォルニア州で無差別殺人を行ったエリオット・ロジャー容疑者(事件時に死亡)を称賛し、インターネットの女性蔑視グループに言及していた。
警察は事件後、現場から少し離れた路上でミナシアン容疑者を発見。しばらく強い調子でやりとりした後、逮捕した。同容疑者は白いレンタル・バンで故意に歩行者をはねたとみられている。
ミナシアン容疑者はフェイスブックに「インセルの謀反はすでに始まっている!全てのチャドとステイシーを倒してやる!最高の紳士エリオット・ロジャー万歳!」と投稿した。
「インセル」は米掲示板サイト「レディット」上のグループで、インボランタリー・セリベイト(Involuntary celibate、不本意の禁欲主義者)の略。若い男性が性行為経験のないことや性的魅力の欠如について話し合い、それらの問題で女性を非難している。「チャド」と「ステイシー」は、インセルの参加者が蔑視する魅力的で手の届かない男女を指している。
エリオット・ロジャー容疑者は「インセル」の参加者で、カリフォルニア州アイラビスタで刃物や銃で6人を無差別に殺害した。
フェイスブックは、この投稿がミナシアン容疑者自身のものだと確認している。
トロント警察のグレアム・ギブソン警部は24日に開かれた記者会見で、事件の死傷者は「圧倒的に」女性が多かったと説明した。被害者は20代から80代までと幅広かったとしている。

ミナシアン容疑者は24日の法廷で罪状認否を行った。同容疑者は頭をそり、白いジャンプスーツを着て手を後ろ手に組んでいた。公判の間、表情はほどんど変えなかった。
公判では、ミナシアン容疑者は事件の被害者と接触することが禁止された。公判は5月10日に再開される。
法廷には容疑者の親族とみられる男性が来ており、最前列に座って泣いていた。閉廷後に記者にコメントを求められると、「ごめんなさい」と答えた。
カナダのジャスティン・トルドー首相は事件について「無分別な攻撃で、恐ろしい惨劇だ」とコメントしている。
事件の起こったヤング通りでは警察の捜査が続いており、24日は終日封鎖されていた。警官は横に並んだ状態で通りをゆっくりと歩き、残された証拠を収集していた。
アレク・ミナシアン容疑者
カナダ陸軍によると、ミナシアン容疑者は2017年後半に2カ月間、軍隊に所属していた。同容疑者は自主退役したという。
また、特別学校に通っていたとの同級生の証言もある。
ロイター通信の取材に対しシェレーン・チャミさんは、ミナシアン容疑者はオハイオ州のソーンリー高校の周囲を、頭を下げ両手を強く握り締め、ネコの鳴きまねのような音を出しながら歩き回っていたという。
しかしチャミさんは、同容疑者が暴力的ではなかったと話した。
「社交的な人ではありませんでしたが、私が覚えている彼は全く無害な人物でした」
CBCによると、ミナシアン容疑者はその後、事件を起こしたトロントのノース・ヨーク地区にあるセネカ大学に通っていたという。

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警察は、ミナシアン容疑者がトロント郊外リッチモンド・ヒルの出身で、警察は容疑者についてこれまで把握していなかったとしている。
ラルフ・グッデイル治安相は「国家の安全につながる懸念はないようだ」と話したほか、CBCは政府高官の話として、ミナシアン容疑者にテロ組織との関連はなかったとしている。
被害者たち

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当局は被害者について公表していないが、これまでに3人の名前がメディアなどで確認されている。
CBCは、米投資会社インベスコで働いていたアン・マリー・ダミコさんが被害者の1人と伝えた。インベスコのカナダ本社は事件のあったヤング通りに面している。
在カナダ・ヨルダン大使館はBBCに対し、被害者にヨルダン人1人が含まれていると認めた。ヨルダンメディアによると被害者はムニル・アブド・ハビブ・アル・ナジャールさんで、息子を訪ねてカナダに来ていたという。
また、カナダ人のドロシー・セウェル(80)さんも、親族によって事件の被害者だと伝えられた。

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このほか在カナダ韓国大使館が、この事件で韓国人2人が死亡し、1人が重体だと発表している。
負傷した15人は現在もトロントの各病院で治療を受けている。
事件はどのように起きた?
事件は23日午後1時半(日本時間24日午前2時半)ごろ、ヤング通りとフィンチ通りで起きた。車両はヤング通り沿いの長さ1キロにわたって、繰り返し歩道に乗り上げ、歩行者をはねたという。
ヤング通りでビデオ店を経営するレザ・ハシェミさんはBBCに、通りの反対側から悲鳴が聞こえたと話した。白いレンタル・バンが何度も歩道に乗り上げ、歩行者をはねたようだという。
バンの後方で車を運転していたという男性は地元シティ・ニュースに、運転手が「前にあるものは何でもはねていた。人だろうが、消火栓だろうが。郵便箱も」と話した。自分は車のクラクションを鳴らして、歩行者に注意しようとしたという。
「通りで少なくとも6人か7人がはねあげられるのを見た。殺されたみたいだった」
現場の写真では、バンの通った道沿いで遺体にオレンジのシートがかけられている。服の切れ端や金具などが歩道と車道に散らばっているのも見てとれた。
ミナシアン容疑者の運転するバンは現場から少し離れた通りで警察に止められ、包囲された。
同容疑者は手に持った何かを警官に突き出し、銃を持っていると発言。警官は「構わない。伏せろ」と返し、双方から発砲のないままミナシアン容疑者を逮捕した。
ヤング通りとフィンチ通りの交差点には被害者を悼み支援する人々が訪れ、壁には花やメッセージが添えられた。
献花しに来たデイブ・スペンスさんは、トロントの住民は「これから何年も」このエリアを「今までとは違う気持ちで歩くでしょう」と話した。

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