トランプ米大統領、アフガニスタンで「勝つために戦う」 撤退はしないと

テレビのゴールデンタイムに合わせてバージニア州マイヤー基地から、アフガニスタン戦略を発表するトランプ大統領(21日)

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画像説明, テレビのゴールデンタイムに合わせてバージニア州フォートマイヤー陸軍基地から、アフガニスタン戦略を発表するトランプ大統領(21日)

ドナルド・トランプ米大統領は21日夜、アフガニスタン戦略についてテレビ演説を行い、性急に撤退すればその空白をテロリストが埋めてしまうため、米軍の駐留は継続し、「勝つために戦う」ことにしたと発表した。大統領は選挙戦中から、アフガニスタンからの早期撤退を支持していた。

トランプ大統領は演説冒頭、直感的には米軍を撤退させたいと願っていたが、情勢を熟慮した結果、イラクでの間違いを繰り返さないため、「勝つために戦う」ことにしたと述べた。

大統領は、期限を区切った行程表をもとにした戦略展開を止め、現場の状況に応じた対応に移行すると表明。いつまでに何を達成するという期限は設けない方針を示した。

一方でトランプ氏は、だからといってアフガニスタン政府に好きなようにさせるわけではなく、「アフガニスタン政府にやる気があり、状況が進展する限りにおいて、米国はアフガニスタン政府と協力する」とくぎを刺した。

トランプ氏はさらに、インドとの関係強化を目指すと述べる一方で、パキスタンが過激主義者に「安全地帯」を提供しかくまうのを、米国はこれ以上容認しないと警告。米国の側につかなければパキスタンは「大きい損失」を被ることになると述べた。

「我々はパキスタンに何十億ドルも払ってきた。しかしパキスタンは同時に、我々が戦っているのとまさに同じテロリストをかくまっている」

トランプ氏のこの批判について、パキスタン軍報道官のアシフ・ガフール少将はただちに報道陣に対して、「パキスタンにはテロリストのアジトはない。ハッカニ・ネットワークを含めて、すべてのテロ・ネットワークに対して行動を取っている」と反論した。

大統領はさらに、アフガニスタンに対するこの新戦略について同盟各国の支援を期待する姿勢を明示し、「我々と同様に」貢献の度合いを高めるよう期待すると述べた。

ジェイムズ・マティス国防長官は、「複数」の同盟国がすでに、アフガニスタン駐留部隊の「人数を増やす意向」を示したと文書で明らかにした。

一方でトランプ氏は、米軍の追加配備があるかは言明せず、もしあるとしてもどの規模で増やすのかなど具体的な数値は示さなかった。アフガニスタン駐留米軍のジョン・ニコルソン司令官は米兵4000人の追加を要求していたため、大統領がこれに明確に応じるものと思われていた。

しかしトランプ氏は、過去の米政権を批判し、「兵の人数や作戦計画については明かさない」と発言。その一方で、過激派勢力のアルカイダやいわゆる「イスラム国」への攻撃は強化する方針を示した。

「(過激派勢力は)もう隠れる場所がないと思い知る必要がある。米軍の手が届かない場所などないのだと」とトランプ氏は強調した。

ジョンソン司令官はアフガニスタン新戦略について、「タリバンが軍事的に勝利するのは不可能だということだ」と述べ、「今こそ暴力を放棄し、和解すべき時だ」と呼びかけた。

トランプ氏はタリバンとの和平合意もいずれ可能かもしれないと示唆。「いつの日か、効果的な軍事行動の後には、アフガニスタンでタリバンの一部を含む政治情勢が可能になるかもしれない。しかしそれがいつのことか、果たして可能なのかは、誰にも分からない」。

これに対して、タリバンのザビウラ・ムジャヒド報道官は、トランプ氏の新戦略に「新しいところは何もない」と一蹴。AFP通信に対して、米国は「戦争を続けるよりも」終わらせる戦略を考えるべきだと見解を述べた。

Senior adviser to and daughter of the President Ivanka Trump, first lady Melania Trump and Vice President Mike Pence (L-R) listen as U.S. President Donald Trump announces his strategy for the war in Afghanistan during an address to the nation from Fort Myer, Virginia, U.S., August 21, 2017

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画像説明, トランプ大統領のアフガン戦略演説を見守る、長女イバンカさん(左)、メラニア夫人(中央)、ペンス副大統領(21日、バージニア州フォートマイヤー)

タリバンに対する米軍の作戦行動は正式には2014年に終わったが、特殊部隊はアフガニスタン軍への支援を続けている。駐留米軍は現在、約8400人規模。

アフガニスタン政府の統治が及ぶのは国内の半分に留まり、アフガン軍は今でも反政府勢力との戦いを続けている。

米国は2001年9月11日の同時多発攻撃を受けて、同年10月7日にアフガニスタン空爆を開始し、同月半ばから地上部隊も投入した。

トランプ氏はかねてから駐留米軍の撤収を支持。7月には側近たちに「勝てていない」と述べたほか、今月初めには「ひどい状態を受け継いだ。ひどい状態をずっとましにする」と話し地得た。

一方で、マティス国防長官は、イスラム過激主義の脅威と戦うためには米軍がアフガニスタンに残る必要があると主張してきた。

ホワイトハウス首席戦略官だったスティーブ・バノン氏は、勝てる戦いではないと、駐留米軍の完全撤収を強く主張していたが、18日に解任された

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【解説】 支持基盤に傷が?――アリーム・マクブールBBC北米特派員ワシントン

理屈の上では、トランプ大統領のアフガン新戦略を誰より問題視するのは、トランプ氏に投票した人たちかもしれない。

選挙中のトランプ氏は支持者たちに、「アメリカ第一」政策に注力すると繰り返していた。それが今になって、これまでの犠牲を有意義なものにするため、アフガニスタンで勝ちたいと言い出したのだ。

アフガニスタンで勝つというその目的達成のために、具体的に何をどうするつもりなのか詳細は語らなかった。米国の敵に戦略内容を知らせたくないのだと、従来の主張を繰り返して。

しかし、バラク・オバマ大統領による大規模増派で達成できなかったことが、どの程度のわずかな増員で実現できるのか、分かりにくい。

またインドに対してアフガニスタン関与の拡大を期待すると言いながら、どうやってパキスタンから今まで以上の協力を得るつもりなのかも不明だ。インドの関与拡大こそが、パキスタン主流派の恐れることなのだから。