リビア統一政府に権限移譲 トリポリ掌握勢力

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内戦状態にあるリビアで5日、首都トリポリを掌握する勢力が国連が支持する統一政府に権限を移譲すると発表した。
一方、東部トブルクを支配する勢力は統一政府を認めない姿勢を維持している。
トリポリを掌握する「国民救済政府」は声明で、「我々は行政権限を停止し、大統領、議会議員、政府の閣僚から退く」と述べた。
特派員らによると、「国民救済政府」の法務省が出した声明には政府の印章があったものの、閣僚たちの署名はない。

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国連が支持する統一政府は先週、トリポリ入りし、市内の海軍基地で業務を開始。複数勢力が対立する状態を解消し平和を取り戻そうとしている。
リビア国内で過激派組織「イスラム国」(IS)系の集団が勢力を増すなか、西側諸国は統一政府ができるだけ多くの派閥をまとめることを期待している。
しかし、大統領評議会が率いる統一政府に反対する勢力が国内各地に残っているため、統治を確立できるかは不透明だ。
国連が仲介した昨年12月の合意では、統一政府を樹立するという内容に対立する勢力双方の一部の政治家が支持を表明した。しかしリビアでは、2011年まで独裁体制を敷いたカダフィ政権打倒への動き開始後に多数の武装勢力が出現しており、その全てが同意するには至っていない。
大統領評議会は、暫定首相のファイエズ・サラジ氏を含む9人のメンバーで構成される。
国連は、統一政府がリビア国内を掌握できれば、推計670億ドル(約7兆4000億円)あるとされる政府系ファンド(SWF)の資産凍結解除を検討するという。

<解説>ラナ・ジャワド北アフリカ特派員
国連が支持する大統領評議会がトリポリに到着してから1週間で、対立する2つの政府のうちひとつが解散を決めた。だからといって、当地の議会が権力を移譲するとは限らない。実際のところ、議会は国連仲介による合意をめぐって意見が分かれているからだ。
しかし、これまで厳密には3つ存在していた勢力のうちのひとつの終焉を意味する。
アブドラ・シンニ氏率いるトブルクの政府は依然として存在するが、対立する勢力のそれぞれの議会議員が署名した国連仲介の合意をめぐって意見が分かれている。
国際的に承認され、国連仲介の合意でもリビアで唯一の立法機関とされた議会は、トブルク政府の支持を受けている。







