東京の名所「ホテルオークラ東京」本館が閉館

Exterior shot of the Hotel Okura 31 August 2015

画像提供, Getty Images

画像説明, ホテルオークラ東京の本館。9月には取り壊され、2019年には41階建ての高層タワーとなって再開する。2015年8月31日。

 東京の名所で日本を代表する高級ホテルのひとつ、「ホテルオークラ東京」の本館が8月31日、閉館した。2020年東京五輪に向けて取り壊され、新しく建てられる高層タワーホテルに姿を変えて2019年に再会する予定。

建築家の谷口吉郎氏の設計で1962年に開業した本館は、モダニスム建築の傑作で、1960年代の日本建築の代表的な作品と世界的に評価されてきた。世界各国の元首や首脳、著名人の宿泊先として好まれ、ジェイムズ・ボンド・シリーズで日本を舞台にした原作小説「007は二度死ぬ」ではボンドの滞在先として登場する。オバマ米大統領も2009年の訪日時に宿泊している。

最終営業日となった31日夜には、ロビーで記念のコンサートが開かれた。本館は9月に取り壊されるが、別館は営業を継続。本館跡地には谷口氏の長男、吉生氏が設計を手掛けた41階建て客室510室の、ガラス張りの高層タワー2棟が登場する予定だ。

Farewell concert at the hotel Okura 31 August 2015

画像提供, Getty Images

画像説明, ホテルオークラ本館の最終営業日、別れを惜しむ常連客を前にコンサートが開かれた。2015年8月31日。

ホテル側は、「5つ星」の評価を維持するには、建て直しが必要だと説明する。広報担当は、「老朽化のため、日本のホテルとして最高級のサービスを提供するのが難しくなっている」とAFPに話した。

U.S. President Barack Obama walks to greet Japan's Emperor Akihito and his wife Empress Michiko as they arrive at the Okura Hotel in Tokyo 25 April 2015

画像提供, AP

画像説明, オバマ米大統領も訪日時にはホテルオークラに滞在した。2014年4月撮影。

「文化の破壊」

その一方で、本館の取り壊しに対しては批判や反対も強く、インターネットを中心に保存を求める署名などが展開された。

英雑誌「モノクル」は、オークラ本館閉鎖について「取り返しのつかない損失で、胸が痛む」と書いている。

建築の専門家の間でも、オークラ本館のデザインはユニークで代用が効かないと指摘。東京都市大学で都市空間デザインを教える山根格教授は「文化の破壊だ。日本の美意識を西洋式ホテルに本当の意味で融合させた、ただひとつの建物だったのに」とAFPに話している。