【2023年サッカー女子W杯】 過去最大の大会、きょう開幕 優勝候補は

World Cup mascot Tazuni at Sydney Football Stadium

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画像説明, 今大会のマスコットのタズニ

サッカーの女子ワールドカップ(W杯)が20日、開幕する。優勝候補や今大会で初めてのことなど、注目点を紹介する。

第9回大会の今回は、オーストラリアとニュージーランドで開かれる。女子W杯が2カ国によって共同開催されるのは初めて。前回優勝のアメリカなど、過去最多の32カ国が参加する。

開幕戦はニュージーランド対ノルウェー。ニュージーランド・オークランドで20日午後7時(日本時間同4時)にキックオフとなる。

オーストラリア対アイルランドの試合もこの日、シドニーで同日午後8時(日本時間同7時)に開始となる。

開幕2試合の観客は計10万人に上ると、主催者は見込んでいる。

9都市10会場で全64試合が予定されている。前売りチケットは130万枚以上売れており、史上最も多くの観客を集める女子W杯になるとみられている。

視聴者20億人が目標

主催者側は、テレビでの観戦者を過去最多の20億人にしたいとしている。これは2019年の前回フランス大会の2倍に当たる。

初出場は、アイルランド、ヴェトナム、ザンビア、ハイチ、モロッコ、パナマ、フィリピン、ポルトガルの8カ国。

出場国の最新世界ランキングは、5度目の優勝を狙うアメリカが1位で最高。最低はザンビアの77位。日本は11位。

決勝は8月20日、オーストラリアで戦われる。

日本はグループステージ(1次リーグ)C組で、22日にザンビア、26日にコスタリカ、31日にスペインと対戦する。

さまざまな史上初

今大会は、女子スポーツにおける史上最大の大会と言われている。

女子のW杯では初めて、国際サッカー連盟(FIFA)が直接、選手らに報酬を支払う。金額は勝ち進むほど高くなり、グループステージ(1次リーグ)では1選手あたり3万ドル(約400万円)、優勝すれば同27万ドル(約3650万円)が支払われる。

FIFAの報告書によれば、世界の女子サッカー選手の平均年収は1万1000ポンド(約200万円)なので、今回の報酬は大きい。賞金総額は、前回大会の2300万ポンドから8400万ポンドに増やされた。

審判が、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の判定理由を、競技場やテレビの観戦者に向けてマイクなどを通して説明するのも、初めての取り組みだ。

昨年の男子W杯では、LGBTQ+(性的少数者)の権利への連帯を示す虹色のキャプテンマーク(腕章)が禁止されたが、今大会ではインクルージョン(包摂)、ジェンダー平等、平和などのメッセージが記された腕章の着用が許可される。ただ、8種類用意されている腕章のうち、LGBTQ+のインクルージョンを明確にうたっているものはない。

優勝候補は

アメリカが最後にW杯で敗れたのは、2011年にドイツ・フランクフルトであった日本との決勝だ。PK戦で負けた。

以来、アメリカはW杯で14試合戦って13勝している。2015年、2019年大会の優勝に続く、史上初の3連覇を目指している。

しかし、W杯とオリンピックで2度ずつ優勝を経験しているカーリー・ロイド選手は、国際大会から引退している。アメリカの23選手中、14選手はW杯初出場だ。4度目のW杯を迎えるメガン・ラピーノ選手は、今回が最後になると発表している。これらが優勝候補筆頭のアメリカの地位に変化をもたらす可能性がある。

イングランドも強豪だが、負傷者が続出している。欧州選手権(ユーロ)2022で最優秀選手と得点王になったベス・ミード選手ら数人の主力選手を欠いている。

スペインは、女子世界最高のアレクシア・プテラス選手を擁している。2度のW杯優勝を誇るドイツも強く、経験豊富だ。

フランスは、経験豊かなエルヴェ・ルナール監督が率いている。共催国のオーストラリアは、大観衆の応援を得るのが確実で、英チェルシーのフォワード、サム・カー選手の活躍が期待される。

6度目の出場が3人

出場チームは、2011年の16チーム、2019年の24チーム、そして今大会の32チームと、増え続けている。今大会には736選手が出場する。

うち3選手は、6度目のW杯出場となる。ブラジルのマルタ選手、ナイジェリアのオノメ・エビ選手、カナダのクリスティン・シンクレア選手だ。

5月に40歳になったエビ選手は、今大会最年長となる。ただ、女子W杯の最年長記録は2019年のフォルミーガ選手(ブラジル)で、41歳と112日だった。

一方で、高校卒業前後の年齢の選手も多い。

韓国のケイシー・フェアー選手(16)は、グループステージのコロンビア戦かモロッコ戦で出場を果たせば、女子W杯における最年少記録を更新する。

負傷欠場者が続出

アメリカ、オランダ、イングランド、フランス、カナダなどで、主力選手がけがで出られなくなっている。

アメリカは、キャプテンのベッキー・サウアーブラン選手(足を負傷)のほか、マロリー・スワンソン選手(膝蓋腱を断裂)、サム・ミューイス(膝を負傷)、クリステン・プレス(同)らがけがを負っている。

オランダの歴代得点王ヴィヴィアン・ミーデマ選手は、前十字靭帯の損傷で欠場する。このけがは、イングランドのリア・ウィリアムソン選手とミード選手の欠場の理由にもなっている。

イングランドはまた、フラン・カービー選手も膝のけがで出られない。

フランスも、アマンディーヌ・アンリ選手(ふくらはぎを負傷)、チャンピオンズリーグで5度の優勝経験があるデルフィーヌ・カスカリーノ選手(前十字靭帯の損傷)、マリー=アントワネット・カトト選手(同)を欠く。

カナダのジャニン・ベッキー選手も、前十字靭帯の損傷で欠場が決まっている。