EU離脱決めた国民投票から7年、イギリスの有権者の考えは今も変わらず?

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イギリスは6月23日で、欧州連合離脱(ブレグジット)の是非を問う国民投票から7年目を迎えた。
僅差だったものの、イングランドで最初に残留への支持を決めたのは北東部ニューカッスルだった。その直後に同じ北東部のサンダーランドが、圧倒的多数で離脱への支持を宣言した。
イギリスと欧州連合(EU)との関係は変わり続け、「7年目の浮気」の時期に突入した。離脱に投票した人たちは何か違いを感じているだろうか? 残留を望んだ人々は、なお動揺しているだろうか?

イギリスがEUからの離脱を決めたあの夜、ひときわ印象的な1枚の写真がサンダーランドで撮影された。「Leave(離脱)」と書かれた今や懐かしい赤いTシャツを着た女性が男性の肩に乗り、喜んで両手を挙げている写真だ。
2016年6月24日深夜0時15分ごろ、サンダーランドはイギリスで初めて離脱支持を宣言した地区となった。投票の内訳は61.3%対38.7%で、「離脱」が多数を占めた。
実際にブレグジットが完了するにはさらに4年がかかったが、7年前のあの時、離脱に投票した人々は、今も同じ考えなのだろうか。
サンダーランドの港近くに住むキース・ロウさんは、「今でも100%、離脱に投票する」と話した。
「2人の娘と、生まれた孫娘のために離脱に投票した。彼女たちの機会を最大限に増やすために」

キースさんは、まだ子供だった1973年に、イギリスが欧州経済共同体(EEC)に加盟した時のことを覚えているという。
「そのおかげで、良いことがたくさんあった」とキースさんは言う。
「医療や安全に関する法令がたくさんできて、労働者のための雇用法もできた。けれども、ここ10~15年で、たくさんの政策がイギリスに強制されるようになったと思う」
「間抜けと言われた」
キースさんは、国民投票は「もっぱら、変化のための投票だった」と思うと話した。
「否定的な意見ばかりを聞かされたが、一般的に離脱に投票した人の多くは、ブレグジットのチャンスを最大限に生かそうとする非常に前向きなタイプだった」
「離脱支持だと間抜けと言われた。でも私は科学の学位を持っていて、間抜けなんかじゃない。他の人たちと同じように、テーマを読み解き、自分で解決することができる」
キースさんは、EU離脱の「二大メリット」を強調する。新型コロナウイルスに対するワクチン対応と、EU共通農業政策からの脱却だ。
「負の側面があるのも知っている。接客業や旅行業界で短期的な雇用問題があったが、全体としては、前より書類を用意する作業が少し増えたけれども、それをやりさえすればイギリスに来られる」と、キースさんは付け加えた。
「サンダーランドには、とてもとても多くの移民労働者が入って来ている。主に国民保健サービス(NHS)で働くために来る、良い労働者だ」
「20年後にみんながどう振り返るか楽しみだし、私たちは残留支持者を振り返って『ほら、だから言っただろう』と言えると思う」
「求められていない、歓迎されていない」
サンダーランド以外にも、イングランド北東部で離脱を支持した地区は多い。
この地域で残留を支持したのはニューカッスルだけだった。ただし、離脱派との票差はわずか1%だった。

市内に住むジェイムズ・シーリンさんとジャネットさん夫妻は、家の外にEUの旗を誇らしげに飾っている。窓にも、「ブレグジットは失敗した」と書かれたまばゆいネオンサインが置いてある。
「本当にたくさんの、全くの赤の他人が玄関まで来て、旗を掲げてくれてありがとうと言っていった」と、ジャネットさんは話した。
ニューカッスルでは50.7%対49.3%の僅差で、EU残留を支持した。
ジェイムズさんは、「結果で賭けをしていて、勝った」と語った。
「欧州との間にいろいろ不穏な問題もあったが、問題は結局、イギリス議会にあった」
「私は人生の大半を欧州で過ごしてきたし、欧州人だ。2人で欧州を旅もした。(残留は)私たちにもイギリスにも良いことだと思った」
「なぜみんなが離脱したいのか分からない。いや、分かるけれども、その理由には賛成できなかった」

ジャネットさんは、イギリスが「孤立しないように」願い、残留に投票したという。
「ブレグジットの投票によって、何年も何年もここで働き、ここで暮らし、ここに貢献してきた人たちにひどいことをしたと思う。そういう人たちが、求められていない、歓迎されていないと感じるようになってしまった」と、ジャネットさんは話した。
「そういう人たちを本当にたくさん、欧州に送り返した。たくさんの医師と看護師を。今では畑で野菜や果物を収穫してくれる人も、大型貨物車(HGV)のドライバーも足りていない。本当に経済にダメージを与えているし、EUを離脱する良い理由が一つも思い浮かばない」
ブレグジットの良い面はという質問に対し、シーリンさん夫妻は長い間だまりこんだ。
ジャネットさんは「ない」と答えた。
「一生懸命考えているんだが」と、ジェイムズさんは言った。
ジェイムズさんはその後、「共通の目的」のために集まる友人が増えたと語った。
「私たちは、世界の反対側にいる人々と同時に貿易をする小さな島国でいればそれでいいんだというわけにはいかない」
「この国がEUに再加盟するまで、私たちはどこにもいかない」











