【英総選挙2019】 立候補の条件は? 議員の給料は? 読者の質問に答えます

Count volunteers wait to count ballot papers at the Latton Bush Centre, Southern Way, Harlow

画像提供, PA Media

イギリスでは6日、議会が解散し、12月12日の総選挙に向けた選挙活動期間が始まった。過去5年で3度目となり、欧州連合(EU)離脱の鍵を握るとされる今回の選挙について、読者から送られた質問を元にひも解いていく。

Short presentational grey line

開票の様子を投票所で見ることはできる? (マヌエル・モラ、ノースロンドン在住)

立候補者と選挙事務所の職員、選挙管理委員会にあらかじめ届け出ている監督者は、開票の様子を直接見ることができる。

しかし理論的には、自治体に事前に届け出ていれば、一般人でも開票に立ち会うことが可能だ。

当局が個人の参加を認めた場合、各選挙区で投開票の責任を持つ選挙管理官のゲストとして参加できる。

開票に立ち会う人には全員、入場パスが配られる。また、票の秘密を保持し、不正がないことを確認しなくてはならない。

郵便投票を選んだ場合、到着したか、改ざんされていないか知る方法はある? (マーク・ストーラレック、カーカルディー在住)

詐欺や二重投票を防ぐため、投票用紙には1枚ずつ識別番号と公式の印が付いている。投票所では、有権者の登録番号と投票用紙の識別番号が紐付けされる。

イギリスの選挙は秘密投票とされているが、理論的には誰が誰に投票したかを追跡することができる。ただし、そうすることは違法だ。

選挙が終わると、投票用紙と関連書類は封印され、1年間保管された後に処分される。この封印は、高等裁判所か下院の命令がないと開けられない。

議員の不出馬が相次いでいるが、いつもより多い? (ルイーズ・グレゴリー、ケンダル在住)

総選挙前に不出馬や引退を発表する議員の数は、選挙によって大きく異なる。

今回の場合、5日夜までに出馬しないと表明した現職下院議員は66人。

一方、1979年以降の10回の総選挙で、再選を目指さなかった現職議員の平均は86人弱だ。

選挙期間中も議員は給与をもらう? 仕事も続ける? (アンドリュー・バージェス、プッジー在住)

議会が解散したため、議員はもはや議員ではなく、議員特権のない一般市民に戻っている。

しかし、投票当日までは給料が支払われる。現在、イギリスの下院議員の報酬は年俸7万9468ポンド(約1100万円)となっている。

一方、特別委員会などに参加することで得ていた追加報酬は、議会解散とともに停止される。

選挙活動期間中、議員としての仕事は一切できず、議会への入場も制限される。しかし、議員としての電子メールで緊急対応を行うことは認められている。

立候補者の条件は? 立候補できないのはどんな人? (ピート・ジンクス、ランコーン在住)

選挙管理委員会によると、イギリス国民、アイルランド国民、そしてイギリス連邦加盟国の国民でイギリスの滞在許可を得ている人で、立候補した日に18歳以上であれば立候補できる。

一方、議員と両立できない職業や立場の人は立候補できないとされている。上院議員、公務員、軍人、裁判官のほか、EUの欧州議会議員などはイギリス下院で立候補できない。また、複数の選挙区で同時に立候補することも禁じられている。

禁錮刑で服役中の受刑者は、いかなる選挙でも投票できない。破産手続き中の人も、場合によっては投票できない可能性がある。

Judges arrive at Westminster Abbey for the Judges' Ceremony on 1 October 2019

画像提供, Getty Images

画像説明, 裁判官は下院議員に立候補できない

総選挙にかかる費用はどれくらい? (フランシス・クロノウスキ、ロスウェル在住)

2017年の総選挙では、1億4000万ポンド(約195億円)の税金が使われた。

また、75の政党と15の選挙活動団体が、合わせて4160万ポンドを支出した。

どうして21世紀になったのにオンライン投票にならないのか? (デイヴィッド・ゼック、ファーナム在住)

Members of staff count ballots at the Westmorland and Lonsdale constituency counting centre in Kendal

画像提供, Getty Images

画像説明, イギリスでは人の手によって開票作業が行われているが、エストニアではインターネット投票が導入されている

現在、インターネット投票を導入しているのはエストニア(2007年)ただ一国のみ。2019年の総選挙では投票した有権者の43.8%がインターネットを利用した。

イギリスでは2015年、デジタル民主主義に関する議長委員会が「2020年までに全ての有権者がインターネット投票できるようにするべき」との助言をまとめている。

しかし、セキュリティー上の懸念などから、これに関する法案はまだ提出されていない。

選挙活動期間中もブレグジット交渉は続く? (アリスター・サマヴィル、ロンドン在住)

答えはノー。

イギリス政府とEUは先に、ブレグジット(イギリスのEU離脱)期限を2020年1月31日とすることで合意した。そのため、総選挙までの期間は特に交渉すべき事柄はない。

通商協定などは、イギリスがEUを離脱してから交渉が始まることになっている。