海洋生物のプラスチック致死量が明らかに、種類も重要だと最新研究

2匹のアザラシの子が砂浜で休んでいる。1匹の首には黄色と緑のプラスチックのロープが絡まっている。

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ヘレン・ブリッグス環境担当編集委員

海洋生物が飲み込んだプラスチックがどのように、その生き物を死なせるのか調べた新研究が17日、米科学アカデミー紀要に発表された。海洋生物の解剖結果1万件を分析したこの研究によると、海鳥はわずか23個のプラスチック片を飲み込むだけで極めて高い危険にさらされ、致死率は90%に達することが明らかになった。海洋哺乳類は29片で、ウミガメは約405片で同様の危険に達するという。

研究者らは、わずかな量のプラスチックでも危険になり得ることに驚いたと述べた。たとえばイルカは、体積にしてサッカーボール未満の柔らかいプラスチックを飲み込むだけで、海鳥はエンドウ豆より小さいゴム片を数個摂取するだけで、死ぬ可能性があるという。

そのうえで研究者らは、この調査結果が、野生生物を保護するための世界的な取り組み作りに役立つかもしれないと語った。

小さな白と灰色の鳥が、海に浮かぶ青いプラスチックボトルにとまっている

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「プラスチック汚染は、海洋野生生物の存在そのものを脅やかしている。そのことをを思い起こさせる、本当に重要な警告だ」。研究を主導したアメリカ拠点の環境団体オーシャン・コンサーヴァンシーのエリン・マーフィー博士はこう述べた。

この分析は、世界中で収集された海鳥、ウミガメ、そしてアザラシやアシカ、イルカなどの海洋哺乳類の解剖データを使用した。その結果、調査対象となったウミガメのほぼ半数、海鳥3割、海洋哺乳類の1割が、プラスチックを食べていたことが明らかになった。

研究チームはこのほか、海洋生物の種類ごとに、どういう種類のプラスチックが死因となるかを試算した。

その結果、プラスチックの種類が重要な要素になることも分かった。

海鳥にとっては、ゴムが最も危険だった。海洋哺乳類にとっては、柔らかいプラスチックと漁具の破片が最大の脅威だった。ウミガメには硬質プラスチックと柔らかいプラスチックの両方が危険だったという。

砂浜で、プラスチックの青い網の中からウミガメの子供が顔をのぞかせている

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この研究では、動物の胃の中で見つかったプラスチックのみを調査した。化学的な影響や、体に絡まったプラスチックの影響は評価していないため、実際のプラスチック被害の規模はさらに大きい可能性が高い。

これまでに数多くの海洋生物の体内からプラスチックが見つかっている。鳥類はしばしばプラスチック片を飲み込み、ウミガメはクラゲと間違えてビニール袋を食べる。しかし、これまで科学者は、大きさが異なる動物にとって、それぞれどれほどの量のプラスチックが致死的なのか、正確なデータを持っていなかった。

この研究を主導した前出のマーフィー博士は、「プラスチック汚染に効果的に対処するための科学的根拠は明確だ。私たちは作り出すプラスチックの量を減らし、収集とリサイクルを改善し、すでに存在するものを清掃する必要がある」と話した。