教皇レオ、ウクライナでの戦争を終わらせる「勇気」促す 初のクリスマス演説

教会の衣装を着た教皇が右手を上げて前方を見ている。口の前には写真左の関係者によってマイクが差し出されている。写真右の関係者は大きな台本のようなものを抱えて教皇のほうに広げている

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画像説明, クリスマスの演説をする教皇レオ14世(25日、ヴァチカン)

キリスト教カトリック教会の教皇レオ14世は25日、ヴァチカンの聖ペトロ広場で、集まった人々を前に自身初のクリスマス演説をした。世界中の紛争に終止符を打つよう呼びかけ、ウクライナとロシアに対しては、戦争終結のため直接対話する「勇気」を見いだすよう訴えた。

教皇によるクリスマス当日の演説は恒例となっている。

教皇はウクライナで続く戦争について、「武器の騒々しい音がやみ、当事者らが国際社会の支援とコミットメントを得て、誠実で、直接的で、敬意ある対話をする勇気を見いだすことを願う」と述べた。

この戦争をめぐっては、終結に向けたアメリカ主導の交渉が続いている。

アメリカは、ウクライナとロシアの双方が受け入れられる合意をまとめようとしている。だが、最新の和平案に基づく協議では、戦争当事国の直接協議は実現していない。

教皇はまた、世界各地で人々を苦しめ続けている混乱や紛争を非難した。

7月の停戦合意のあとに再燃し、国境地域で死者を出しているタイとカンボジアの衝突にも言及。「古くからの友情」を回復させ、「和解と平和に向けて努力する」よう求めた。

教皇が囲いのない乗り物に立って乗り、右手を上げて口を開いている。周囲には多くの人がいて手を上げたりスマホで撮影したりしている

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画像説明, 集まった人々に手を振る教皇レオ

これに先立つ聖ペトロ大聖堂での説教で教皇は、世界中でホームレスの人々が置かれている状況や、紛争による被害を嘆き、こう述べた。

「無防備な人々の肉体はもろく、進行中または終結して、がれきと開いたままの傷を残している多くの戦争によって試練にさらされている」

教皇はさらに、イエス・キリストの誕生の物語は、神が世界の人々の間に「壊れやすいテントを張った」ことを示していると説明。「であれば、どうして」、「雨と風と寒さに何週間もさらされているガザのテントのことを思わずにいられるだろうか」と、パレスチナの状況に話を向けた。

ガザは2年にわたる戦争で、イスラエル軍の砲撃により壊滅状態となっている。この戦争は、2023年10月7日にイスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃したことで始まった。

ガザにいる210万人の窮状は、冬の嵐でいっそう悪化している。住民のほぼ全員が避難生活を送っており、自宅は一部または完全に破壊されている。

支援機関はイスラエルに対し、より多くのテントや緊急必要物資のガザへの搬入を許可するよう求めている。

ガザの境界にある検問所を管理するイスラエルの軍事組織「イスラエル占領地政府活動調整官組織(COGAT)」は、支援が意図的に制限されているという批判を退け、10月の停戦以来、31万張り近くのテントと防水シートが届けられたとしている。