ロシア、ウクライナを大規模攻撃 首脳会談の模索続く中

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ウクライナ当局は21日、同国に向けてロシアがドローン574機とミサイル40発を発射したと発表した。7月以降で最大規模の砲撃だとしている。
ロシアの攻撃は、前線に近いウクライナ東部に集中する傾向にあるが、今回は西部にも及んだ。
ウクライナ当局によると、西部リヴィウ市で1人が殺害され、南西部ザカルパッチャ州で15人が負傷したという。
ウクライナ空軍は、ロシアが21日にかけて発射したドローンとミサイル計614個のうち、577個を途中で阻止したと発表した。多くはロシア西部と黒海から飛来し、ミサイル1発はロシア占領下のクリミアからだったという。
ウクライナのアンドリー・シビハ外相は、この夜間の攻撃で、極超音速ミサイル、弾道ミサイル、巡航ミサイルなどが使われたと説明した。
ウクライナ当局によると、1人が殺害された西部リヴィウ州では、他に3人が負傷し、住宅や保育施設を含む民間の建物20棟以上が被害を受けた。
ハンガリーやスロヴァキアに近い南西部ザカルパッチャ州ムカチェヴォでは、巡航ミサイルがアメリカの電子機器会社を直撃し、15人が負傷した。この会社の工場ではコーヒーメーカーなどの家庭用品を製造しているという。

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ウクライナでの戦争をめぐっては、アメリカのドナルド・トランプ大統領が終結に向けた外交的な動きを先導している。ウクライナのシビハ外相は、今回の攻撃で、戦争終結の努力がなぜ「不可欠」か、理由が浮き彫りになったと述べた。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は21日、ロシアからはまだ、戦争終結のための「実質的な交渉に真剣に参加するつもりがある」という合図が示されていないと記者団に述べた。
ゼレンスキー氏はまた、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と「中立的なヨーロッパで」会談する用意があると発言。あり得る開催場所として、スイスかオーストリアに言及したほか、トルコ・イスタンブールでの開催にも反対しないと述べた。
プーチン氏と「いかなる形式でも」会談するとしたゼレンスキー氏だったが、ここ数日の間に浮上したハンガリーの首都ブダペストで開く案には、「現時点では簡単ではない」と否定的な考えを示した。
ゼレンスキー氏は、ハンガリーのオルバン・ヴィクトル首相について、「政策としてウクライナに対立的だったと言うわけではないが、ウクライナ支援には反対していた」と述べた。
ゼレンスキー氏とプーチン氏の直接会談の可能性は、トランプ氏が今月15日に米アラスカでプーチン氏と会談し、18日にゼレンスキー氏と欧州首脳らを米ホワイトハウスに迎えた後に浮上した。
トランプ氏は当初、プーチン氏、ゼレンスキー氏との3者会談を提案したが、その後、自らは参加しないかもしれないと発言。「今の時点では、私抜きで会談したほうがいいと思う。(中略)必要となれば、私は行く」としている。
ロシア軍はウクライナ南部に集結とゼレンスキー氏
ゼレンスキー氏はこの日、ロシア軍について、ウクライナ南部ザポリッジャ州の前線に集結していると説明。「(ロシア西部)クルスク方面からザポリッジャへと、部隊の一部を移動し続けていることがうかがえる」とした。

ウクライナ当局は、自軍がロシア・ロストフ州の製油所を攻撃したと発表した。同州はウクライナ東部ドンバス地方と国境を接している。
当局はまた、ロシアに占領されているウクライナ東部ドネツク市で、ロシアのドローン基地や軍事・インフラ施設を攻撃したとした。
両軍の戦闘で双方に死傷者は出続けているものの、前線はここ数カ月ほとんど動いていない。領土の獲得は、わずかなものにとどまっている。
地上戦がこうして膠着(こうちゃく)する状況で、ロシアはウクライナの都市やインフラへの空爆を拡大している。
ウクライナへの空爆でこれまで最大のものは、ドローン728機とミサイル13発が発射された7月上旬の攻撃だった。
今回の攻撃を受けてシビハ外相は、ウクライナを支援する国々に対して、防空支援の追加を改めて求めた。
ロシアは、2022年にウクライナ本格侵攻を始めて以降、東部ルハンスク州やドネツク州含むドンバス地方の大部分を占領。2014年に併合したクリミア半島を含め、ウクライナ領土の約2割を支配している。











