米で人気の深夜トークショー「ザ・レイト・ショー」、来年終了へ

ニューヨークのテレビ番組スタジオで机に向かい腕を組み、眉をひそめているコルベア氏。眼鏡をかけ、スーツを着ている

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画像説明, 深夜トークショー「レイト・ショー」の司会スティーヴン・コルベア氏

米CBSテレビは17日、深夜トーク番組「ザ・レイト・ショー・ウィズ・スティーヴン・コルベア」が2026年5月に終了すると発表した。「ザ・レイト・ショー」はアメリカで人気の長寿番組。スティーヴン・コルベア氏の司会のもとでは、ドナルド・トランプ氏とその政権を批判し、笑いの対象にすることで知られてきた。

司会のコルベア氏を含め大勢の意表を突いたこの発表について、CBSは「この決定は深夜番組を取り巻く厳しい状況下での純粋な財務的判断」で、「番組のパフォーマンス、内容、その他の事柄とは一切関係ない」と述べた。

この決定で、司会者が交代するのではなく、30年以上続いた番組「ザ・レイト・ショー」が終了するという。CBSは1993年以来初めて深夜のコメディ・トーク番組を持たないことになる。

今回の発表の2週間前にはCBSの親会社パラマウントが、2024年大統領選でトランプ大統領の対立候補だったカマラ・ハリス氏とのCBSインタビューをめぐり、トランプ氏に訴えられた末、1600万ドル(約24億円)を支払うことで和解している。

司会のコルベア氏が17日の収録中にこの決定を発表すると、スタジオの観客からブーイングが起きた。コルベア氏は、自分は16日夜にこの決定を知らされたのだと説明し、ブーイングをする観客に向かって「皆さんと同じ気持ちだ」と述べた。

さらに、「これは、我々の番組が終わるというだけでなく、CBSの『ザ・レイト・ショー』そのものの終わりだ。私が交代するだけじゃなくて、このすべてが終わるんだ」と語った。

「素晴らしい仕事だった。誰かが引き継いでくれたらよかったのに」とも述べた。

さらに、「CBSの人たちは素晴らしいパートナーだった」とコルベア氏は述べ、「そしてもちろん、毎晩ここに、そして世界中で参加してくれた皆さんに感謝している」と続けた。

CBSは声明で「スティーヴン・コルベアはかけがえのない存在だ。そのため、彼の出演終了と共に我々は『ザ・レイト・ショー』そのものを終了する」と述べた。

「スティーヴンがCBSをホームとしてくれたことを誇りに思う。彼と番組は深夜テレビの偉人たちの系譜に刻まれる」ともCBSは述べた。

BBCニュースはアメリカでCBSニュースと提携している。

CBSは1993年に「ザ・レイト・ショー」を開始した。それまでアメリカで約30年間、絶大な人気と影響力を博したNBC番組「ザ・トゥナイト・ショー」の司会者ジョニー・カーソン氏が前年に引退したのを機に、競合番組として始まった。アメリカでは深夜に政治を含めてその時々の話題を面白おかしく取り上げ、時の政権などを風刺するトーク番組が人気となった。

初代司会者デイヴィッド・レターマン氏の引退に伴い、コメディアンのコルベア氏は2015年に番組司会を引き継いだ。以来、コルベア氏はアメリカの深夜テレビでトランプ氏を強力に批判し続ける複数の司会者の一人となった。

「ザ・レイト・ショー」の前には、コルベア氏はケーブル局コメディ・セントラルで「ザ・コルベア・レポート」の司会を務め、アメリカの保守政治と文化を風刺していた。

番組終了の発表は、パラマウントとスカイダンス・メディアの合併交渉が進む中で行われた。この合併には米連邦政府の承認が必要となる。

民主党のアダム・シフ上院議員は17日、番組終了の発表直前にコルベア氏とのインタビューを終えたのだとソーシャルメディア「X」に投稿し、「もしパラマウントとCBSが政治的理由で『ザ・レイト・ショー』を終了させたのなら、国民はそれを知るべきだ」と書いた。

トランプ氏とパラマウントの和解は、トランプ氏が昨年10月にCBSを提訴したことが発端となっている。CBSのニュース番組「60ミニッツ」で放送されたハリス氏のインタビューが「民主党に有利になるよう編集された」として、トランプ氏はCBSに対し損害賠償を求めていた。

パラマウントは和解について、トランプ氏に和解金を支払うものの、それはトランプ氏が将来作る大統領図書館に充てられ、本人には「直接的にも間接的にも」支払われないという取り決めだと説明していた。

オバマ氏が柔和な表情でコルベア氏に向かっている。コルベア氏は厳しい表情で手元の資料を見下ろしている

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画像説明, コルベア氏のインタビューを受けるオバマ元米大統領

コルベア氏はこれまで番組でトランプ氏を一貫して厳しく批判し、民主党政治家を多く番組に招いていた。6月には、ニューヨーク市長選の有力候補で「民主社会主義者」を自認するゾーラン・マムダニ氏(民主党)と対談している。

番組終了の決定は、アメリカのネットワーク各局が若い視聴者の獲得に苦戦する中で行われた。主要テレビ各局はオンライン配信やポッドキャストとの競争、そして生放送のコスト増加に直面している。

競合するABCとNBCは、深夜トーク番組の放送を継続する。ABCの「ジミー・キメル・ライブ!」は秋に収録を再開する。業界紙「ハリウッド・リポーター」によると、NBCのジミー・ファロン氏とセス・マイヤーズ氏はそれぞれ、「ザ・トゥナイト・ショー」および「レイト・ナイト」の司会契約を2028年まで延長したという。