トランプ氏の「大きくて美しい」税制法案、米下院予算委で共和党議員5人が阻止 いっそうの赤字削減求め

下院予算委員会。奥に委員たち、その前に証人や傍聴の人たちが座っている。

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画像説明, 米連邦議会の下院予算委員会

米連邦議会の下院予算委員は16日、ドナルド・トランプ米大統領が長らく「大きい、美しい法案」と推進してきた税制・歳出法案を、否決した。野党・民主党の委員全員に加え、与党・共和党の保守強硬派5人が反対し、財政赤字のいっそうの削減を求めて法案に反対した。

就任以来何度か、共和党議員たちに働きかけて僅差でも法案を通してきたトランプ氏は、「共和党に『目立ちたがり』はいらない。おしゃべりをやめて、さっさとやれ!」と自分のソーシャルメディアに投稿した(編注:太字は原文で大文字)。

法案成立の見込みがないわけではないものの、トランプ第2次政権は初めて立法上の痛手を受けたことになる。

この法案に対する共和党議員の姿勢はまちまちで、一部の保守強硬派はいっそうの予算削減を求めている。他方、地元の有権者が必要とするメディケイド(低所得者への公的医療保険)など、公的制度の縮小を心配する共和党議員もいる。

16日の予算委で法案に反対した共和党議員5人はいずれも、メディケイド縮小を強く求め、マイク・ジョンソン下院議長がこれに同意しない限り、税制法案に反対し続けるという姿勢を示した。

また、民主党が実施したグリーンエネルギー減税の完全撤廃を盛り込むことも求めている。

保守強硬派の共和党下院議員による議員連盟「フリーダム・コーカス」のひとり、テキサス州のチップ・ロイ議員は、「この法案はまったく不十分だ」、「財政赤字に関して我々が言ってきたことを、何も実現しない」と批判した。

法案は、トランプ氏の第1次政権政権が実施した減税措置を延長する内容。そこに、チップを非課税にする措置を含めたことをトランプ氏は強調する一方で、法案は富裕層にとって有利な内容になっているという批判もある。

法案に全面的に反対する民主党は、メディケイド縮小の再考や、医療費負担適正化法(ACA、通称オバマケア)によって国民数百万人の医療保険加入を助成する制度に対する支出削減の再考を、いずれも強く求めてきた。

「これほど多くのアメリカ人が医療保険制度を失う原因となる法案や法律や出来事は、かつてなかった。大恐慌の時でさえ、そうはならなかった」と、ブレンダン・ボイル下院議員(民主党、ペンシルヴェニア州)は批判した。

超党派の議会両院合同税制委員会によると、この減税法案が可決された場合の減税コストを、10年間で3兆7200億ドルと見積もっている。