アメリカ、ロシア側につき国連決議に反対票 ウクライナ侵攻めぐり

国連安保理での採決に臨むアメリカのドロシー・カミーユ・シア国連副大使

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ジェイムズ・ランデイル外交担当編集委員、パトリック・ジャクソン

国連総会(193カ国)は24日、ロシアのウクライナ侵攻から満3年となるのに合わせて特別会合を開き、ロシアを非難し、ウクライナの領土保全を支持する欧州側提出の決議案を、93カ国の賛成多数で採択した。アメリカ、ロシアなど18カ国が反対票を投じ、65カ国が棄権した。

その後、国連安全保障理事会の会合も開かれ、アメリカが提出した「紛争の終結」を求める決議案を、10カ国の賛成多数で採択した。この決議にはロシア非難は含まれず、アメリカの主要同盟国のイギリスやフランスなど5カ国が棄権した。

アメリカはこの日の2度の採決で、いずれもロシア側につくかたちとなり、ウクライナでの戦争をめぐるアメリカの立場の変化を浮き彫りにした。

2件の決議案は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が米ホワイトハウスでドナルド・トランプ米大統領と会談し、ウクライナでの戦争をめぐる大きな相違点に対処しようとする中で提出された。

25日には、イギリスのキア・スターマー首相も、トランプ氏と会談する予定。

欧米の同盟関係が一変

トランプ政権はロシア政府に取り入ろうとする一方で、欧州の安全保障に対するアメリカの長年のコミットメントに疑問を投げかけ、これまでの欧米の同盟関係を一変させている。

その亀裂は24日に露呈した。米外交官は、「ロシア・ウクライナ紛争」の犠牲者を悼み、迅速な戦闘終結を求める決議案の採択を迫った。

一方で、欧州の外交官は、ロシアの全面侵攻を非難し、ウクライナの主権と領土保全を支持するより詳細な決議案を提出した。

ウクライナのマリアナ・ベツァ外務次官は、「侵略行為は非難され、卑下されるべきで、見返りを与えられるべきものではないということを、我々は再確認する必要がある」と述べた。

国連総会の特別会合で採択された欧州案に対し、アメリカは驚くべきことに、棄権ではなく、反対票を投じた。反対したのはアメリカ、ロシア、イスラエル、北朝鮮、スーダン、ハンガリーなど18カ国。

米国案も、「ウクライナを支持する」との内容が追加されたうえで採択された。アメリカは棄権した。

安保理の会合では、内容が修正されていない米国案の採決が行われ、10カ国の賛成多数で採択された。イギリス、フランス、デンマーク、ギリシャ、スロヴェニアは棄権した。

アメリカのドロシー・カミーユ・シア国連副大使は、自国が提出した決議案は「過去を振り返らず、未来を見据えた(中略)シンプルな歴史的声明だ。戦闘を終わらせるという、一つのシンプルなアイデアに焦点を当てた決議だ」と述べた。

アメリカが、同盟関係であるはずの欧州諸国とこれほど対立するのはめずらしい。

ロシアの全面侵攻からの3年間、安保理は五つの常任理事国の一つであるロシアがあらゆる決議に拒否権を行使し、行き詰まりをみせている。

このため国連総会が、ウクライナでの戦争について議論する主要な場となっている。ただ、安保理とは異なり、国連総会での決議には加盟国に対する法的拘束力がない。