【ミラノ・コルティナ五輪】 日本勢が表彰台独占か? アメリカやロシアの有力選手は? フィギュア女子の注目点

エマ・スミス、BBCスポーツ(イタリア・ミラノ)
国際スケート連盟(ISU)は2022年、シニアレベルのフィギュアスケートの年齢制限を15歳(新シーズンが始まる7月1日時点)から17歳へ引き上げることを決めた。オリンピックのフィギュアスケート競技で、若年の選手がチャンピオンになる時代は終わりを迎えた――。そう思われていた。
しかし、17日に行われた女子シングルのショートプログラムでトップに立ったのは、今大会の同種目最年少、日本の中井亜美(17)だった。
今季シニアデビューの中井は、フィギュア界で高く評価されていたものの、一般的な知名度はほかのメダリスト候補ほど高くなかった。
また、五輪開幕前の世界ランキングも高くはなかった。ショートの滑走順はランキング上位12選手が後半の第4、第5グループとなるため、中井は出場選手29人中18番目(第3グループ)の演技となった。
それでも、中井は冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をきめるなど、自己ベストとなる78.71点をたたき出し、トップ争いへ加わった。
日本は今大会、フィギュアスケート競技で好調を維持している。
開幕直後に行われた団体戦では、僅差でアメリカに敗れたものの、2大会連続の銀メダルを獲得した。
男子シングルでは、13日のフリースケーティングで、鍵山優真が冒頭の4回転サルコーや4回転フリップでミスが続いたものの、中盤は立て直し、スピンやステップで最高評価を得て銀メダルを獲得した。銅メダルは、ほぼミスのない演技でショート9位から巻き返した佐藤駿が手にした。優勝候補のイリア・マリニン(アメリカ)は、フリーで2本目に予定していた4回転アクセルが1回転となり、その後も2度転倒するなどして8位だった。
ペアでは、三浦璃来・木原龍一組がフリースケーティングで会心の演技を披露し、世界歴代最高得点となる158.13点を記録。金メダルに輝いた。日本のペアが五輪でメダルを獲得したのは初めてだ。
日本は19日(日本時間20日午前)にフリーが行われる女子シングルでも、表彰台独占など過去最高の成績を収める可能性がある。
今季で引退の坂本花織、初出場の千葉百音

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金メダル争いで中井の最大のライバルとなるのは、8歳年上の日本のエース坂本花織(25)だ。
坂本は今季での引退を表明している。
坂本は2022年以降、圧倒的な強さを見せている。2024年には、女子選手としては1960年代以来となる世界選手権3連覇を達成している。
ショートでは、基礎点が高いトリプルフリップからのトリプルトーループの連続ジャンプを含む全7要素で、出場選手の中で最も高い演技構成点を獲得している。ショート77.23点の坂本は、中井を逆転できる可能性はある。
中井と同じく五輪初出場の千葉百音は、昨季の世界選手権の銅メダリストだ。ショートでは3位と2.59点差の4位(74.00点)につけている。
「ブレード・エンジェル」アリサ・リュウ、初出場のイザボー・レヴィト

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ショート3位(76.59点)は、昨季の世界選手権で坂本を抑えて金メダルを獲得したアリサ・リュウ(アメリカ、20)。日本勢の表彰台独占を阻む位置につけている。
リュウは最終第5グループの最初に登場。演技後半のトリプルルッツ・トリプルループの連続ジャンプで回転不足と判定されたが、すべてのジャンプを着氷させた。
リュウに続いて演技したのは、五輪初出場のイザボー・レヴィト(アメリカ)。トリプルループで回転不足判定となったが、そのほかの要素をまとめ、70.84点で8位につけている。ただ、19日のフリーでトップ3に入る可能性は低いとみられる。
アンバー・グレン、アデリア・ペトロシアンは波乱をもたらすか

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全米選手権3連覇中のアンバー・グレン(26)は、冒頭のトリプルアクセルを成功させた。しかし、演技後半に予定していたトリプルループが2回転になり、ショートの規定により0点となった。このミスが響き、ショート13位と出遅れた。
フリーで最高の演技をみせれば、メダル争いに波乱をもたらす可能性はまだあるかもしれない。
この日の競技開始から中井が登場するまでの約3時間、暫定首位を守り続けたのは、個人の中立選手(AIN)として出場しているロシアのアデリア・ペトロシアン(18)だった。
ISUは2022年にロシアが開始したウクライナ全面侵攻を受け、ロシアとその同盟国ベラルーシの選手が国際大会に出場することを禁止した。そのため、ペトロシアンは同じくAINとして出場するベラルーシの選手に続いて、全体の2番滑走で登場した。
ペトロシアンは、ダブルアクセルを含むジャンプを全て着氷。ISU公認大会でのシーズンベスト72.89点を記録し、ショート5位となった。
ロシア選手権3連覇中のペトロシアンは、ドーピング疑惑で物議を醸したロシア人コーチ、エテリ・トゥトベリーゼ氏の指導を受けている。しかし今大会、同コーチはペトロシアンのコーチとしては公式登録されておらず、トゥトベリーゼ氏のチームで指導するダニイル・グレイヘンガウス氏が帯同している。トゥトベリーゼ氏は、ジョージア代表のニカ・エガゼ選手に帯同している。










