米紙ワシントン・ポストが大規模な人員削減 報道部門を縮小

画像提供, Bloomberg via Getty Images
ダニエル・ケイ・ビジネス記者
米紙ワシントン・ポストは4日、従業員の3分の1を解雇すると発表した。スポーツと国外ニュースの報道を大幅に縮小する。
人員削減の影響はすべての部門に及ぶ。スポーツ、ローカル(首都圏)、外国の報道に関わる人々が特に大きな打撃を被る。
有力紙の同紙にとっては新たな激変となる。米アマゾンの創業者で富豪のジェフ・ベゾス氏が所有する同紙では、急激な変化と混乱が相次いでいた。
マット・マリー編集主幹は、この削減が「安定」をもたらすと述べた。しかし、同紙の従業員や一部の元幹部らは今回の発表を非難。そのうちの一人は、名高い新聞の「歴史の中で最も暗い日」の一つだと評した。
オンラインのアクセスが激減
マリー編集主幹は4日の従業員宛ての文書で、「今日の知らせは痛みを伴う。これは難しい行動だ」と書いた。
そして、「ただ生き残るだけでなく、繁栄していくためには、私たちは新たな野心を持ってジャーナリズムとビジネスモデルを改革しなくてはならない」とした。
編集主幹はさらに、人員削減についての説明の中で、人工知能が台頭してきたこの3年間で、同紙のオンラインのアクセスが激減したと指摘。ワシントン・ポストが「あまりにも、違う時代に根ざしている」とした。
そのうえで、「私たちは多くの優れた記事を生み出しているが、ほんの一部の読者に向けて、一つの視点から書くことが多過ぎる」と述べた。
この発表に先立ち、同紙の外国特派員や国内の記者たちは、自分たちの仕事を守るようベゾス氏に要請していた。
従業員組合ワシントン・ポスト・ギルドは4日、声明を発表。「労働者を排除し続けることは、新聞を弱体化させ、読者を遠ざけ、(ワシントン・)ポストの使命を損なうだけだ」と訴えた。
解雇された記者らは、ソーシャルメディアに次々と投稿した。多くが、外国ニュース報道の縮小に対して怒りをあらわにした。
同紙のカイロ支局長は、中東の特派員や編集者の「全員」と共に、自身も解雇されたとした。ウクライナ駐在の特派員は、「紛争地帯の真ん中で」職を失ったと嘆いた。
別の記者は、首都圏ニュースを扱うメトロ部門でも大半が解雇されたとした。
ベゾス氏と変革
2021年まで編集主幹を務めたマーティ・バロン氏は、「世界で最も偉大な報道機関の一つにおいて、その歴史の中で最も暗い日の一つ」と呼んだ。
同氏が編集主幹だったのは、ドナルド・トランプ大統領の1期目を含む期間だった。同氏によると、2013年に2億5000万ドルでワシントン・ポストを買収したベゾス氏はその間、「報道の自由について力強く雄弁に」語っていたという。
「いまも同じ気概を感じたいが、それを示すものはない」とバロン氏は述べた。
ワシントン・ポストの広報担当は声明で、今回の措置は「足場を固め、焦点を絞るためのもの」と説明した。
同紙ではここ数年、編集方針への反発がみられる中で、各部門で人員削減や買収が進められてきた。今回の解雇はその新たな動きとなる。
同紙は2024年大統領選挙の直前、ベゾス氏の決断により、特定候補への支持を表明しないと発表。直後、何万人もの購読者を失った。
同紙は1970年代以降のほとんどの大統領選で、特定の候補(すべて民主党)を支持してきたが、ベゾス氏の決定はその慣例を破るものだった。
ベゾス氏は昨年、同紙のオピニオン欄について、「個人の自由と自由市場」に力を入れると表明。同欄の編集長が辞任する事態となった。
同紙の経営難と購読者数の減少は、ニューヨーク・タイムズと対照的だ。2025年最終四半期の状況について、ニューヨーク・タイムズは4日、デジタル版のみの購読者が約45万人増えたと発表した。









