トランプ氏、トランスジェンダー女性の女子競技参加を禁止する大統領令に署名

署名した大統領令を掲げるドナルド・トランプ米大統領の周りに、スポーツのユニホームを着た少女たちが集まっている

画像提供, EPA

ドナルド・トランプ米大統領は5日、トランスジェンダー女性がスポーツの女子競技に参加することを禁止する大統領令に署名した。

この命令は指針、規制、法的解釈を提供し、教育省に従わないと考えられる高校について調査するよう指示するもの。

共和党は、この命令がスポーツの公平性を回復すると主張しているが、LGBT(性的少数者)擁護団体や人権団体は差別的だと批判している。

この命令は即時発効し、高校、大学、草の根スポーツを主に対象としている。

水泳、陸上競技、ゴルフを含む多くのスポーツ統括団体は、男性の思春期を経たトランスジェンダー女性が、プロの女子競技に出場することを禁止している。

ホワイトハウス関係者が5日朝に記者団に説明したところによると、この命令は教育省に対し、連邦資金を受ける教育プログラムにおける性差別を禁止する「教育改正法第9編(タイトルIX)」の実施状況を調査する権限を与えるものだという。

関係者は、この大統領令が昨年4月にLGBTの学生が連邦法によって保護されるとしたバイデン政権の立場を覆すものだと述べたが、トランスジェンダーのスポーツ選手に関する具体的な指針は示されなかった。

「男性が女性のスポーツチームを乗っ取ったり、更衣室に侵入したりすることを許せば、タイトルIX違反として調査され、連邦資金を失うリスクがある」と、トランプ大統領は説明した。

ホワイトハウスはさらに、全米大学体育協会(NCAA)などのスポーツ団体を招き、女性アスリートやその親と懸念事項について話し合う予定だ。

ロサンゼルス五輪も対象に

この命令について説明した関係者によると、アメリカは国際オリンピック委員会(IOC)の競技会で、トランスジェンダー選手が女性と競技することを防ぐために全力を尽くすという。

トランプ氏はまた、この命令が2028年ロサンゼルスオリンピック(五輪)も対象にしていると明言。五輪出場のためにアメリカに入国しようとするトランスジェンダーの選手にはビザ(査証)を発給しないと述べた。

署名の前にトランプ氏は、「女子スポーツに対する戦争は終わった」と宣言し、ロサンゼルス五輪中、「私の政権は男性が女性アスリートを打ち負かすのを黙って見ていることはない」と述べた。

また、国土安全保障長官に対し、「女性アスリートとして身分を偽り、アメリカに入国しようとする男性のビザ申請を、すべて拒否するよう指示する」と述べた。

BBCはIOCにコメント求めている

ホワイトハウスの関係者は、この政策がアメリカ人に広く支持されており、女性のスポーツにおける「公平性」と安全性を確保するために重要だと説明した。

一方、人権団体「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」のケリー・ロビンソン会長は声明で、この命令が「若者を嫌がらせや差別にさらし、服装や外見が狭い見解と合致しない子供たちに対する性別の疑問視を助長する」と述べた。

「多くの学生にとって、スポーツは居場所を見つけるためのものだ」とロビンソン会長は訴え、「スポーツとは、彼らの生活を困難にする党派的な政策ではない」と付け加えた。

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)ウィリアムズ研究所の調査によると、アメリカの13歳以上の人口のうちトランスジェンダーは1%未満であり、スポーツをしている人数はさらに少ない。

トランプ大統領は1月20日の就任初日に、連邦政府が性別を男性または女性のいずれかとして公式に定義するよう求める別の命令に署名した。