ガザ北部の空爆で151人死亡とハマス 高齢の人質3人の映像公開

イスラエル軍の空爆で8人が殺害されたとハマスが18日に発表した、ガザ中部ヌセイラット難民キャンプ

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画像説明, パレスチナ自治区ガザ地区ではイスラエル軍の空爆が続いている。ガザ中部ヌセイラット難民キャンプ(写真)では8人が殺害されたと、ハマスが18日に発表した

イスラム組織ハマスは18日、パレスチナ自治区ガザ地区北部のジャバリアがイスラエル軍に空爆され、151人が殺害されたと発表した。ハマスは同日、ガザで拘束している高齢のイスラエル人男性3人の映像を公開した。

ハマスが運営するガザ保健当局によると、ジャバリアは17日にイスラエル軍に空爆された。今回の戦闘が始まるまで、ジャバリアにはガザ最大の難民キャンプがあった。

目撃者や現地ジャーナリストらの話では、イスラエルのミサイルが17日夜、3家族が住んでいたジャバリアの家屋群を直撃した。現地ジャーナリストらは、ジャバリア医療センターの床に置かれた9人の子どもの遺体だとする映像をソーシャルメディアに投稿した。

家屋のがれきの下には多くの人が閉じ込められているとされる。

イスラエルはこの空爆について直接は反応せず、テロリストのインフラを標的に攻撃していると説明している。

ガザ保健当局はまた、南部ハンユニスにあるナセル病院で17日夜、イスラエル軍の戦車の砲弾が産科病棟を直撃し、13歳の少女が殺されたと発表した。

この少女ディナ・アブ・モフセンさんは、アル・アマルでの空爆で足を失い、治療を受けていたとされる。彼女の両親ときょうだい2人もこの空爆で殺害されたという。

一方、ガザ中部のヌセイラット難民キャンプでは、ジャーナリストのハニーン・アル・カシュタンさんら8人が殺害されたという。

イスラエル軍戦車の砲撃で大きな被害を受けた、ガザ地区南部ハンユニスのナセル病院の産科棟(17日)

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画像説明, ガザ地区南部ハンユニスで、ナセル病院の産科病棟がイスラエル軍戦車の砲撃で大きな被害を受けた(17日)

ガザ保健当局は18日、10月7日以降にガザで殺害された人が1万9452人に上ったと発表した。イスラエル軍はハマスが10月7日にイスラエルを奇襲攻撃したのに反撃し、ガザ攻撃を開始した。

死者数が2万人の大台に近づくなか、国連のマーティン・グリフィス事務次長(人道問題担当)は、現在の推定死者数が実際を大きく下回っていると警告している。

グリフィス氏は英紙フィナンシャル・タイムズのインタビューで、「がれきの下に何があるのか、まだ分かっていない」、「がれきの下を掘り始めれば、死者数の推定や統計は大きく変わる」と述べた。

人質3人の映像を公開

映像が公開された人質のアミラム・クーパーさん、ヨーラム・メッツガーさん、チャイム・ペリさん(左から)

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画像説明, 映像が公開された人質のアミラム・クーパーさん、ヨーラム・メッツガーさん、チャイム・ペリさん(左から)

ハマスの軍事部門のアル・カッサム旅団は18日、ガザ地区で拘束しているイスラエル人の高齢男性3人の映像を、メッセージアプリのテレグラムで公開した。

映っているのは、チャイム・ペリさん(79)、ヨーラム・メッツガーさん(80)、アミラム・クーパーさん(85)とされる。ペリさんはカメラに向かい、解放を訴えている。

イスラエル軍のダニエル・ハガリ報道官はこの映像を「犯罪的なテロビデオ」と批判。「非常に高齢で医療を必要とする罪のない民間人に対して、ハマスがいかに残酷かを示すものだ」とした。

そして、「医療支援を届け、人質の状態を確認するため、世界は行動しなくてはならない。私たちには、人質を帰還させるためにあらゆる努力をする道徳的義務がある」と付け加えた。

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ハマスは10月7日のイスラエル襲撃で、約240人を人質に取ったとされる。うち約120人がまだ、ハマスや関連組織によってガザで拘束されていると考えられている。

戦争捕虜や人質は、国際人道法で保護されている。BBCは、当事者を脅して撮影された可能性のある映像の詳細は報じない。

商用トラックが初めてガザに

ガザでは避難者らの生活が厳しさを増している。

ガザ中部アル・マガジ難民キャンプに避難している女性は、「絶え間ない砲撃」に直面しているとBBCアラビア語に説明。人道支援物資については、「子どもが多いので足りていない」とし、近いうちにおむつやミルク、スナック菓子など、子どもの必需品や楽しみとなる物が送られることを望んでいるとした。

同じくキャンプにいる男性は、「私たちの子どもたちは昼夜を分かたず殺されている。すべての店やスーパー、モールは空っぽで何もない」と述べ、ガザと接するエジプトに支援物資を増やすよう求めた。

こうしたなか、戦闘開始以降で初となる商用トラックが16日にガザに入ったと、アメリカが明らかにした。

米国務省のマシュー・ミラー報道官は記者団に、「人道支援物資だけでなく、店舗や市場で売られる商業物資が届けられたことは、ガザのパレスチナ人の生活改善に向けた重要な一歩だ」と述べた。

ミラー氏は運び込まれた物資の量や事業者については明らかにしなかった。ただ、切実に必要とされている食料が主なものだと述べた。

また、物資の量は十分ではないとし、アメリカはイスラエルやエジプト、その他の地域諸国と協力し、支援物資を増やしていくと表明した。

これらの商用トラックは、エジプトとの境界にあるラファを経由してガザに入った。国連が主導する通常の支援物資の輸送と、並行しての措置になる。イスラエルはアメリカのこの発表について、まだコメントしていない。

ガザ地区で地上作戦を続けているイスラエル軍

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画像説明, イスラエル軍はガザ地区で地上作戦を続けている