イスラエル軍誤射の人質、「白い布掲げていた」と軍関係者 「交戦規定に反する」事案と

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イスラエル国防軍(IDF)がパレスチナ自治区ガザ地区での作戦で、イスラム組織ハマスに連れ去られたイスラエル人の人質3人を誤って殺害した問題で、当時3人が白い布を掲げていたと、軍関係者が16日に明らかにした。IDFは17日、建物から「SOS」などと書かれた白い布を発見したと発表した。文字は、食べ物の残りで書かれていたという。
軍関係者は、今回の出来事は「我々の交戦規定に反するもの」で、「最高レベル」で事実関係の調査が進められていると述べた。
15日に死亡した人質はヨタム・ハイム氏(28)、サメル・タラルカ氏(22)、アロン・シャムリズ氏(26)の男性3人。
匿名を条件に語ったIDF関係者によると、3人は当時、シャツを脱いだ状態で建物から出てきて、そのうちの1人が白い布のついた棒を持っていたことが、IDFの初期調査で示された。
兵士の1人は、3人が数十メートルの距離にいたことから身の危険を感じ、彼らを「テロリスト」と断定して発砲したのだと、この関係者は付け加えた。2人は即死で、1人は負傷して建物内へ戻ったという。
ヘブライ語で助けを求める叫び声が聞こえたため、大隊の指揮官が発砲中止を命じた。負傷した人質はその後再び姿を現し、射殺されたという。
関係者は、3人が拘束者に放置されたか、拘束から自ら脱出したとみられると話した。

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IDFは17日、3人がいた建物を捜索した結果、「SOS」「助けて、人質3人」などと書かれた布を見つけたと発表した。文字は食べ物の残りで書かれていたという。
3人は、その建物に長いこといた様子だという。
現場周辺ではSOSのメッセージが書かれた建物も見つかった。当局は死亡した人質との関連を調べている。
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IDFはガザ市近郊でハマスの激しい抵抗に直面している。
人質3人が誤って殺害されたことで、イスラエル当局は、ガザ地区に残る人質120人以上の解放のため合意締結を迫られている。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は記者会見で、IDFの作戦の手を緩めることはないと述べた。
「人質を取り戻すためにも、勝利のためにも、軍事的圧力は必要だ。それなしには(中略)何も得られない」
ハマス側は、「我々の市民(パレスチナ人)に対する侵略行為をこれを最後にきっぱり止めない限り」人質解放の交渉は行わないと、仲介者に伝えている。

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今月初めにイスラエルとハマスの一時停戦が終了して以降、人質の家族は少なくとも一部の人質を解放するため、新たな戦闘休止合意を結ぶようイスラエル政府に求めている。先の合意では、イスラエルの刑務所に収監されているパレスチナ人と引き換えに100人以上のハマスの人質が解放された。
イスラエル・テルアヴィヴでは、現在「人質広場」として知られる美術館前の広場に数千人が集まり、「いますぐ人質を連れ戻せ」などと声を上げ、停戦するよう訴えた。
「生きていたのに、その後死んでしまった人質に何があったのか。それが何より恐ろしい」と、いとこのイタイ・スヴィルスキー氏が人質になっているナーマ・ワインバーグ氏は追悼集会で述べた。「遺体も、遺体の入った袋もいらない。人質全員が生きて戻ってくるまで停戦してほしい。日がたつにつれて、生きたまま捕虜になったのに、死んで戻ってくる人質の名前が増えるばかりだ」。
10月7日のハマスの奇襲で、イスラエル側では約1200人が殺害され、約240人が人質に取られた。
ハマスがガザ地区で運営する保健省によると、イスラエル軍の報復攻撃によってガザ地区で1万8000人以上が死亡し、数十万人が家を追われたという。
ガザ地区では広範囲が破壊され、必需品の不足も拡大している。国連は人道的大惨事に陥ると警鐘を鳴らしている。
イスラエル当局は、攻撃の目的はハマスの壊滅と人質の解放だとしている。
パレスチナ市民の犠牲者が増える中、イスラエルに対して、主要同盟国のアメリカなど国際社会から停戦を求める圧力が高まっている。しかし、イスラエルはこれに応じていない。
ネタニヤフ首相は16日、こうした圧力を再びかわした。
「嘆きや国際的圧力はある。それでも我々は最後まで(作戦を)続ける。我々を止められるものは何もない」











