パレスチナ人学生3人が銃で撃たれる、米ヴァーモント州 家族は憎悪犯罪での捜査要求

ヒシャム・アワルタニさん、タフシーン・アフメドさん、キンナン・アブダルハミドさん

画像提供, Husam Zomlot/X

画像説明, ヒシャム・アワルタニさん、タフシーン・アフメドさん、キンナン・アブダルハミドさん

米北東部ヴァーモント州で25日、20代のパレスチナ人学生3人が銃で撃たれる事件があった。3人の家族は、警察にヘイトクライム(憎悪犯罪)として捜査するよう求めている。警察は26日、容疑者を逮捕した。

バーリントン警察によると、ヴァーモント大学のキャンパス近くで、ヒシャム・アワルタニさん、タフシーン・アフメドさん、キンナン・アブダルハミドさんが撃たれた。

BBCがアメリカで提携するCBSニュースによると、同警察は26日、ジェイソン・J・イートン容疑者(48)を殺人未遂の疑いで逮捕した。現場前の集合住宅内の自宅にいるところを、逮捕された。CBSニュースによると、容疑者は走って現場から逃走していた。

罪状認否のため27日にビデオリンクで出廷した容疑者は、無罪を主張した。保釈は認められず勾留されている。3人への殺人未遂で有罪となれば、終身刑になる可能性がある。

被害者3人は襲撃された時、パレスチナの伝統的なスカーフ「クーフィーヤ」を巻き、アラブ語で話していたという。

警察は動機を特定していないが、ヘイトクライムに該当するかどうかを調べているという。

撃たれたアブダルハミドさんによると、知らない男が通りかかった自分たちを見つめて、拳銃を手に近づき、無言のまま至近距離で発砲し、走って逃げたのだという。

バーリントン警察のジョン・ミュラ本部長によると、被害者のうち2人の容体は安定している。もう1人は背中を撃たれ、重傷だという。

家族によると、3人はパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区のラマラで、キリスト教プロテスタントの一派「クエーカー」が運営する「ラマラ・フレンズ・スクール」の学生。

米ペンシルヴェニア州のハヴァーフォード・カレッジは、アブダルハミドさんが同大学の学生だと発表した。アワルタニさんについてはロードアイランド州のブラウン大学が、アフメドさんはコネチカット州のトリニティー・カレッジが、それぞれ所属学生だと発表した。

被害者の一人のおじ、リッチ・プライスさんは、3人が8歳の家族の誕生日パーティーのために集まっていたのだと話した。

「私たちの家の近所で、彼らが通りを歩いていてこのようなことが起こるなんて、考えてもいなかった」と、プライスさんは述べた。

「3人が私たちの家を出てから5分もたたないうちに、パトカーのサイレンが聞こえ、ランプが点滅するのが見えた。何かが起こっているのだと思った」

「おいとその友人たちが、事件に巻き込まれたなど、思いもしなかった」

ロイター通信によると、被害者の家族は先に、親パレスチナの非営利団体「Middle East Understanding(中東理解)」を通して声明を発表。「司法機関に対し、この件を憎悪犯罪として扱うなど、徹底した捜査を求める」、「銃撃犯が司法の手に委ねられるまで、私たちは安心できない」と述べた。

イスラム教徒の権利団体「アメリカ・イスラム関係評議会」は、容疑者逮捕につながる情報に1万ドルの賞金を提供するとしている。

10月7日にイスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとの戦争が始まって以来、アメリカではイスラム嫌悪と反ユダヤ主義に基づく事件が急増している。

ヴァーモント州選出で、民主党から大統領選に出馬したこともあるバーニー・サンダース上院議員は、ソーシャルメディアで今回の事件を非難。「ここヴァーモント州バーリントンで3人の若いパレスチナ人が銃撃されたことは衝撃だ。非常に動揺する出来事だ。ここにも、どこにも、憎しみの存在する場所はない」と投稿した。

駐英パレスチナ常駐総代表部のフサム・ゾムロット大使は、ソーシャルメディアに3人の写真を投稿。「パレスチナ人に対するヘイトクライムは、終わりにしなくてはならない」と書き添えた。