暗号資産取引バイナンスの趙CEOが辞任 米国での資金洗浄法違反認める

暗号資産取引業最大手のバイナンスの趙長鵬(チャンポン・ジャオ)最高経営責任者(CEO)

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暗号資産取引業最大手のバイナンスの趙長鵬(チャンポン・ジャオ)最高経営責任者(CEO)は21日、米司法省が調査していた反マネーロンダリング法違反について罪を認め、辞任を発表した。

趙氏はソーシャルメディアに、「私は間違いを犯した。責任を取るべきだ。これがコミュニティーにとって、バイナンスにとって、そして私自身にとって最善の方法だ」と投稿した。

ケイマン諸島で登記しているバイナンスは、世界最大の暗号通貨やデジタル資産の取引プラットフォームを運営している。

米司法省はバイナンスについて、利用者が世界各地で制裁を免れる手助けをしていたと指摘。罰金と没収金として合わせて43億ドル(約6370億円)の支払いを求めるとしている。

司法省の報道官は、「バイナンスはアメリカとイランの利用者間の9億ドル近い取引を可能にしていたほか、シリアや、ロシアが占領しているウクライナのクリミア州やドネツク州、ルハンスク州とアメリカ間でも、数百万ドルの取引を処理していた」と述べた。

また、犯罪者やテロリストの資金移動が、バイナンスによって容易になっていたと説明。「2017年8月から2022年4月にかけ、バイナンスからハイドラに約1億600万ドル相当のビットコインが直接送金された。ハイドラはロシアの有名なダークネット市場で、違法なモノやサービスを取り扱う犯罪者に頻繁に使われている」とした。

バイナンスは現在、米連邦当局に疑わしい活動を報告する義務がある。

司法省は、「これにより、(パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織)ハマスのようなグループを支援するために暗号通貨取引所を利用するといった、悪質なサイバー活動やテロ資金調達に関する犯罪捜査が前進することになる」と述べた。

バイナンスはCEOの後任として、同社の地域市場担当トップのリチャード・テン氏を任命した。

米当局による訴追

アメリカ商品先物取引委員会(CFTC)は今年3月にバイナンスを提訴。当局への適切な登録を怠りながら、同国でビジネスを開拓したと主張した。

また、バイナンスがマネーロンダリングを阻止するための規則を含む多くの金融法に違反しているとした。

バイナンスは当時、自社の活動の正当性を主張。アメリカ人ユーザーが同社プラットフォーム上で活動していないことを確認するために、アメリカの国民や居住者であると確認されたユーザー、あるいはアメリカの携帯電話番号を持つユーザーをブロックするなど、「多大な投資」を行ったと述べた。

6月には、米証券取引委員会(SEC)が「欺瞞(ぎまん)のネットワーク」を築いたとして同社を提訴。バイナンスと趙氏がアメリカで活動を続けるため、投資家保護のルールを無視したと指摘した。

バイナンスはこの時、自社を「精力的に」擁護するとしていた。

米当局は、既存の法律を使用して暗号資産業界の詐欺やその他の問題を根絶すると宣言している。バイナンスの競合だったFTXが昨年、劇的な崩壊をしてからは特に、その姿勢を強めている。

FTXの創業者であるサム・バンクマン=フリード氏は今月初め、詐欺罪で有罪判決を受けた。