アメリカ軍、シリアの武装組織の施設に空爆 イランが支援と

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米国防総省は13日、イランのイスラム革命防衛隊がシリアで使用していた施設に「精密な」空爆を行ったと発表した。
ロイド・オースティン国防長官は、イランが支援する戦闘員が、イラクとシリアの米軍駐留基地に「攻撃を続けている」ことから、空爆で対応したと説明した。
米国防総省は、この空爆の影響の詳細を公表していない。しかしイギリスを拠点とするNGO「シリア人権監視団(SOHR)」は、イランが支援する武装組織のメンバー8人が殺されたと述べた。
アメリカがこのような空爆を行うのは、10月26日以降で3回目となる。
中東地域では、イスラエルとパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとの戦争により、緊張が高まっている。
オースティン長官は13日の記者会見で、シリア東部アルブ・カマルとマヤディンの近くにある、訓練施設および拠点が標的だったと説明した。
また、この空爆はジョー・バイデン大統領の命令によるもので、「アメリカが国家と兵士、そして国益を守ることをはっきりさせる」ためのものだとした。
米軍や多国籍軍の基地に攻撃
SOHRによると、空爆での負傷者は7人。犠牲者のほとんどがシリア以外の国籍だという。
また、この空爆でイラクとシリアの国境に近いアブ・カマル周辺にあった武器倉庫と、マヤディン近郊のロケット弾発射装置が破壊されたとした。
また、イランが支援する武装勢力もこの日、アメリカの基地に向けてロケット弾を発射したと発表。犠牲者はなかったという。
SOHRはさらに、13日朝以降、多国籍軍の基地に6回の攻撃があったと報告している。
米国防総省は先週、10月7日にイスラエル・ガザ戦争が始まって以降、イラクとシリアの米軍基地に、イランが支援する武装組織による攻撃が少なくとも41回あったとしていた。
また、10月17日から11月初旬にかけて、米兵56人が負傷したと報告している。症状は脳挫傷から軽傷までさまざまだが、全員が治療を受けて任務に戻ったという。
アメリカ政府高官は、一連の攻撃はこの地域で活動するイランの代理グループによるものだとしている。
ガザ地区での戦闘の拡大への懸念
イランは、シリアの12年にわたる内戦で同国のバシャール・アル・アサド大統領を支援するため、数百人の部隊を派遣していると考えられている。
また、数千人規模のイスラム教シーア派の戦闘員を武装させ、訓練や資金援助を提供しているとされる。こうした戦闘員の大半はレバノンの武装勢力ヒズボラの所属だが、イラクやアフガニスタン、イエメンの出身者もおり、シリア軍と共に戦っているとされる。
アメリカは10月27日、シリア東部でイランが支援する武装勢力が使っていた武器・弾薬倉庫2カ所に初めての空爆を行った。
11月8日には、やはり東部にある施設を標的に、で戦闘機「F15」による「自衛の空爆」を行った。
ガザ地区での戦争が激化し、地域紛争へのエスカレーションが懸念される中、イランとその代理組織がイスラエルとハマスの戦闘に関与し、さらに広範囲に及ぶ深刻な戦争になることが懸念されている。
アメリカは、一連の空爆はガザの問題とは無関係だと強調。イスラエルとは協力していないとし、完全に独立した自衛行為だと述べている。
米政府高官はまた、イランや代理組織と接触し、中東地域での戦闘のエスカレーションを引き起こさないよう警告しているという。
ある国防総省の高官は声明で、「我々の軍事行動がイスラエルとハマスの紛争に対するアメリカのアプローチの変化を示すものではなく、アメリカにこの地域での紛争をエスカレートさせる意図はないことを明確にしたいと思っている」と語った。
バイデン大統領は10月、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師に異例のメッセージを発し、中東に駐留する米軍を標的にしないよう警告した。









