警官に射殺された少年の死を「暴力の正当化に利用」 仏大統領が抗議者を非難

画像提供, EPA
フランスで車を運転していた17歳の少年が検問中の警察に射殺された事件で、国内各地で抗議デモが続いている。エマニュエル・マクロン大統領は6月30日、デモ参加者が若者の死を利用していると非難した。
30日の危機対策会議で、マクロン大統領は暴力行為を抑えるために警官を増員するとしたが、非常事態を宣言するには至らなかった。
マクロン氏は、暴徒化した子どもたちを自宅にとどめておくよう保護者に呼びかけ、ソーシャルメディア・プラットフォームには特定のコンテンツの削除を求めた。
17歳の「ナエル・M」さんは27日、交通検問から走り去ろうとする時に警官に至近距離から胸を撃たれた。その後、車は歩道に乗り上げ、衝突して止まった。少年は死亡が確認された。

これを受け、国内各地では抗議デモが連日続いている。
29日夜だけで915人以上が逮捕された。政府は、これ以上の暴力行為を抑えるため4万5000人の警官を配備すると発表した。
この暴動で逮捕された人の約3分の1は「若者、あるいは非常に若い人たち」だと、マクロン氏は明かした。ジェラルド・ダルマナン内相はその後、その中には13歳も含まれるとした。
マクロン氏は、抗議行動を起こそうとする子どもを「自宅に」とどめておくのは親の「責任」だとし、保護者に行動を起こすよう促した。
少年の死が「暴力行為の正当化に」
マクロン氏は、この3日間の暴力行為を「最大限の断固とした態度で」非難した。
また、少年の死が、暴力行為の正当化に利用されていると指摘。「少年の死に便乗することは容認できない」とした。
動画投稿アプリ「TikTok」や「スナップチャット」などのソーシャルメディア企業に対しては、投稿された「最もセンシティブな種類のコンテンツ」を削除し、自社サービスを使って暴力行為を組織した人物の名前を当局に提供するよう求めた。
スナップチャットの広報担当者は、暴力行為や憎悪を助長するコンテンツについて、そうした内容をいっさい認めない「ゼロ・トレランス(非容認)」ポリシーがあるとし、状況の監視を注意深く続けていくとした。
各地で略奪や放火
29日夜、北部のリールやルーベから、南部マルセイユまでの広範囲で、商店が荒らされ、道路がひどく損傷し、車が放火されるなどした。内務省によると、公道での火災の報告は3880件以上で、28日の2391件から増加した。
フランス第2の都市マルセイユの警察は30日夕までの時点で、すでに80人を逮捕している。同市ではデモ参加者と機動隊の衝突がその後も続いた。
ソーシャルメディアには、市内の旧港で爆発があったように見える動画が投稿された。市当局は原因を調査中だが、死傷者はいないとしている。
スーパーマーケットとみられる場所に1台のバンが突っ込む動画も拡散されている。別の動画では、この建物が燃えているようにみえる。
警察によると、暴徒は市内の銃器店から猟銃を略奪したが、弾薬は盗まれていないという。
マルセイユのブノワ・パヤン市長は政府に対し、直ちに軍隊を追加派遣するよう要請。
「略奪と暴力が行われているこの光景は容認できない」と、30日遅くにツイートした。
ダルマナン内相はその後、追加部隊は「間もなく到着する」とツイートした。
一部の場所では、公共交通機関が早期に停止され、外出禁止令が発令された。バスト路面電車の運行は、現地時間午後9時から全国的に制限された。

画像提供, Reuters
30日から2日間の日程で、パリ郊外スタッド・ド・フランスで予定されていたフランスのポップスター、ミレーヌ・ファルメール氏のコンサートなど、いくつかのイベントが中止された。
暴力行為「沈静化しつつある」
ダルマナン内相は30日、パリの西にあるイヴリーヌ県を夜に訪問し、暴力行為の「減少」が見られると憲兵隊に語った。
この日の逮捕者は471人だが、900人以上が逮捕された前日よりもはるかに落ち着いているとし、暴力行為の激しさは「かなり抑制されている」と述べた。
パリ郊外やマルセイユ、リヨンなどで暴力行為が続く中、首都パリは比較的落ち着いていた。
仏紙ルモンドは、30日夜にパリで、暴力行為がなおも続くと懸念されていたが、そうした事態は回避されたようだと報じた。
警官が大規模動員され、暴徒化しそうな人々を阻止。ごみ箱に火を付けたり、略奪を試みるといった散発的な出来事が報告されただけだという。
同紙によると、パリでは一晩で120人が逮捕された。









