大型サイクロン、ミャンマーとバングラデシュに大きな被害 死者も

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バングラデシュとミャンマーの海岸部を14日、強力なサイクロン「モカ」が襲い、ミャンマーでは死者が出た。最も強い「カテゴリー5」相当の威力となっている。
モカは当初、バングラデシュにある世界最大の難民キャンプ「コックスバザール」への上陸が懸念されたが、直撃はしなかった。それでも、キャンプ内の数百の仮設シェルターを破壊した。
ミャンマーでは、少なくとも6人の死亡が報告されている。
バングラデシュでは、今のところ死者の報告は出ていない。
モカは14日遅くまでに両国をほぼ過ぎ去った。バングラデシュの災害担当官カムルル・ハサン氏は、同国では「大きな被害はない」ものの、地滑りや洪水の被害がみられるとした。
直接的な影響はミャンマーのほうが大きかったとみられる。西部ラカイン州では家屋が倒壊し、電線が切断された。同州にある少数民族ロヒンギャ難民のキャンプも大きな被害を受けた。
現地メディアによると、同州で14歳の少年が倒木によって死亡した。また、ミャンマー各地で建物の損傷や倒壊があった。
ラカイン州の州都シットウェの住民は、街の9割が破壊されたと話した。街の大部分では、電気と無線通信が途絶えた。インターネットには、強風で通信タワーが倒れる映像が投稿されている。
ミャンマーの気象当局は、このサイクロンが同国を時速209キロメートルの速さで通り過ぎたと説明した。
ソーシャルメディアに投稿された動画には、雨が降り続くヤンゴンで住宅の屋根が吹き飛ばされ、ビルから看板がはがれる様子が映っている。
当局は、ラカイン州を自然災害地域に認定。ミャンマー赤十字社は、「大規模な緊急対応に備えている」とした。

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バングラデシュ当局は、暴風雨の到来に先立ち75万人を避難させた。
サイクロンが激しさを増すと、コックスバザールの通りは空っぽになった。空が暗くなり、風は勢いを増し、雨は土砂降りとなった。
学校が一時的な避難所となり、何百人もが押し寄せた。沿岸部から2時間かけてやって来た人たちもいた。
赤ん坊を連れた母親や、小さい子どもたち、高齢者、体の弱い人たちが、教室の空きスペースで身を寄せ合い、机の上で寝たり、机の下に座ったりしていた。
この学校に避難して来た人たちは近年、他のサイクロンにも遭遇している。自然の猛威に従って家を離れるパターンが繰り返されていて、諦めていると話す。
ジャナットさん(17)は、川岸にある自宅に何が起こるかわからない恐怖を感じていると言う。昨年はサイクロン「シトラン」で家が破壊され、わずかな所持金を修理に使わざるを得なかったと話す。
「これが続いたら、どうやって生きて行けばいいのか。私たちはとても貧しく、家を建て直す余裕などない」
世界最大の難民キャンプでも被害
近くにある世界最大の難民キャンプでも、貧しい人々が苦境に置かれていた。バングラデシュ政府は、ロヒンギャ難民がキャンプを出ることも、恒久的な建物を造ることも認めていない。
サイクロンが到来したとき、難民らは弱々しい竹と防水シートの屋根でできたシェルターに身を潜めていた。一部はキャンプ内のシェルターに移ったが、そこも大して安全ではなかった。
当局によると、1300以上のシェルターや、16のモスクおよび学習センターが風の被害を受けた。キャンプ内で木が倒れ、2カ所で地滑りが発生し被害が出た。



気象予報士らは、モカはバングラデシュで過去20年近くに観測されたサイクロンの中で、最も強力なものとなる可能性があると警告した。
バングラデシュ気象庁によると、サイクロンの中心から75キロメートル以内の最大持続風速は時速約195キロメートルで、突風やスコールは時速215キロメートルに達するという。
暴風雨の到来に備え、近隣の空港は閉鎖され、漁は中断が命じられた。避難所1500カ所が設置され、危険度の高い地域の住民らは安全な場所への移動が指示された。
ミャンマーでは2008年、サイクロン「ナルギス」が南部の沿岸地域を襲い、14万人近くが死亡、数百万人が深刻な影響を受けた。死者の多くは、低地のイラワジデルタを襲った高さ3.5メートルの高潮によって死亡した。







