カナダ、中国人外交官を追放 中国に批判的な議員の情報を集めたとして

Canadian Foreign Minister Melanie Joly looks on during a news conference with High Representative of the European Union for Foreign Affairs and Security Policy Josep Borrell (unseen),

画像提供, AFP via Getty

画像説明, カナダのメラニー・ジョリー外相

カナダ政府は8日、トロント駐在の中国人外交官を国外追放した。カナダの国会議員を威嚇しようとする中国の企てに関与したとした。

カナダは、中国の人権侵害を非難したマイケル・チョン議員(51)と、香港にいるその親族を、中国が攻撃しようとしたと非難している。

メラニー・ジョリー外相は8日、中国人外交官の趙巍氏について「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」だとした。

オタワの中国大使館は、この追放を非難している。

「いかなる内政干渉も容認しない」

カナダ情報機関の報告書は、趙氏について、中国の少数民族ウイグル族に対する扱いを強く批判したチョン議員に関する情報収集に関わったとして非難している。カナダ紙グローブ・アンド・メールがこれを報じた

報告書によると、中国はチョン議員の「反中国的な立場」を抑制することを目的に、同議員の香港にいる親族に関して詳しい情報を得ようとしたとされる。

チョン議員は2021年、中国のウイグル族の扱いをジェノサイド(集団虐殺)と断じる動議を議会に提出した。中国はこの批判は当たらないとし、直後に同議員を制裁の対象にした。

ジョリー外相は8日、カナダは「内政に対する外国の干渉はいかなる形であっても容認しない」と説明。趙氏の追放は「すべての要因を慎重に検討した上で決定された」と述べた。

ロイター通信によると、オタワの中国大使館は追放をめぐり、「断固として対抗措置を取る」との声明を出した。

中国は先週、チョン議員と家族を攻撃しているとカナダが主張していることに対し、カナダによる「誹謗(ひぼう)中傷」だと非難した。

3月には選挙介入の疑惑も浮上

保守党所属のチョン議員は、カナダの与党・自由党が趙氏の問題について対応を誤っていると批判してきた。8日には、「政府が今回の決定を下すのに2年もかかるのはおかしい」と述べた。

カナダでは3月、同国の選挙に中国が介入しようとした疑いがあるとする情報機関の報告書がメディアに流出し、報じられた。

これを受けてジャスティン・トルドー首相は、この疑惑を調査するための独立した特別調査官を任命した