モルドヴァ、ロシアがクーデターを計画と非難 親欧政権の「転覆」が目的と

President Maia Sandu, Moldova, 13 Feb 23

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画像説明, モルドヴァのマイア・サンドゥ大統領

モルドヴァのマイア・サンドゥ大統領は13日、ロシアが外国の「破壊工作員」を使い、モルドヴァで欧州連合(EU)寄りの政権を倒そうとしていると非難した。

サンドゥ氏は会見で、この「陰謀」には「いわゆる反体制派による抗議活動」が含まれ、「憲法秩序の転覆」が目的だと述べた。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先週、同国の情報機関がロシアのモルドヴァ破壊計画を明らかにしたと発表している。

旧ソ連の構成国で、欧州で最貧国のモルドヴァは、ロシアのウクライナ侵攻の影響を大きく受けている。昨年6月には、ウクライナと同じタイミングでEU加盟候補国となった

サンドゥ大統領によると、ロシアは「軍務経験のある破壊工作員に民間人のふりをさせ、国家機関を暴力的な行動で攻撃し、人質を取る」計画を立てている疑いがある。

ロシアに加え、モンテネグロ、ベラルーシ、セルビアの人物がモルドヴァに入国する計画だと、サンドゥ氏は述べた。

その上で議会に対し、情報・セキュリティー局(SIS)と検察に「国家安全保障上の脅威に対してより効率的に戦うために必要な手段」を与える法案を可決するよう求めた。さらに、「我が国に暴力を持ち込もうとするロシア政府の試みは失敗する」とも述べた。

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人口260万人のモルドヴァは、ウクライナからの難民の波に苦慮している。また、親ロ派が分離を宣言しているトランスニストリア地域との緊張も高まっている。

ウクライナと国境を接するトランスニストリア地域では、1990年9月にロシア系住民が分離を宣言したものの、国際社会は承認しておらず、国際法上はモルドヴァの一部となっている。同地域には現在、ロシア軍が1500人ほどの兵士を駐屯させている。

モルドヴァはロシアに天然ガスを依存しており、昨年、ロシア軍がウクライナのエネルギー施設を攻撃し始めた時期には停電に見舞われた。

モルドヴァの社会党や共産党といった野党連合は、ロシア政府と強いつながりがある。サンドゥ大統領の前任で、2016~2020年に大統領だったイーゴリ・ドドン氏も、ロシアと緊密な関係を築いていた。

しかし1991年のソ連崩壊以降、モルドヴァはEU加盟国である隣国ルーマニアとの関係を強めている。

こうした中、今月10日に親欧派のナタリア・ガブリッツァ首相が辞任。サンドゥ大統領は、同じく親欧派のドリン・レチャン氏を次期首相候補に指名した。

ガブリッツァ氏は辞任に際し、2021年に政権を樹立した時には、「ロシアのウクライナ侵攻によって引き起こされた非常に多くの危機」を管理しなければならないとは誰も予想していなかったと述べた。

モルドヴァ周辺の地図