中国企業、ロシアの「ワグネル」を支援か 米政府が制裁対象に

A man wearing a camouflage uniform walks out of PMC Wagner Centre, which is a project implemented by the businessman and founder of the Wagner private military group Yevgeny Prigozhin, during the official opening of the office block in Saint Petersburg,

画像提供, Reuters

画像説明, ワグネル・グループはロシアのウクライナ侵攻で大きな役目を果たしてきた

アメリカ政府は26日、ロシアの雇い兵組織「ワグネル・グループ」にウクライナの人工衛星画像を提供していたとして、中国企業に制裁を科したと発表した。

この中国企業は、長沙天儀空間科技研究院(スペースティー・チャイナ)。米政府は同社のほかにも15社を制裁の対象とした。

米財務省の外国資産管理局によると、スペースティー・チャイナはロシアのテクノロジー企業「テラ・テック」に、合成開口レーダー(SAR)を使ったウクライナの衛星画像を供給していた。

「これらの画像はワグネルのウクライナにおける戦闘作戦を可能にするために集められた」と、同局は説明。スペースティー・チャイナのルクセンブルクにある子会社も制裁の対象としたと述べた。

スペースティー・チャイナはこうした措置について、まだコメントしていない。

今回の制裁では、アメリカから対象企業への資産の移動や支払い、輸出などができなくなる。

米ホワイトハウスは、ワグネルがロシアのウクライナ侵攻に約5万人の戦闘員を送り込んでいるとみている。ワグネルは侵攻で大きな役割を果たしており、東部バフムートでの戦闘にも深く関わった。

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Presentational white space

スペースティー・チャイナのウェブサイトによると、同社はSAR技術の商用利用の「パイオニア」で、世界中のユーザーにとって「世界のあらゆる地点のSAR画像が手の届くものになる」ことを目指しているという。SARのレーダー技術では、短いアンテナでより高解像度の画像を撮影できるとされる。

また、同社の楊峰最高経営責任者(CEO)は、中国の科学技術部の専門家パネルに「国家技術」の専門家として参加しているという。

同ウェブサイトでは提携先として、中国航天科工集団や中国電子科技集団といった国有企業や、国立の中国科学院大学などが名を連ねている。

中国はロシアと近しい関係にあるが、ウクライナ侵攻については中立の立場を取ろうとしてきた。一方で、侵攻を非難するのを拒否しているとして、アメリカをはじめとする西側諸国に批判されている。

Screengrab from Spacety's website

画像提供, AFP

画像説明, スペースティー・チャイナはウェブサイトで、自社を人工衛星画像の「パイオニア」だと紹介している

アメリカは26日、ワグネルを国際犯罪組織に指定した

米財務省はスペースティー・チャイナなど16社に加え、個人8人と飛行機4機を、ワグネルを支援する世界的ネットワークの一部だとして、制裁対象とした。多くはロシアを拠点としている。

アフリカ中部に本拠を置くセワ・セキュリティー・サーヴィシズや、アラブ首長国連邦(UAE)のクラトル・アヴィエーションも含まれている。後者は、アフリカ中部やリビア、マリなどで人員や物資の輸送に当たっていたとされる。

ジャネット・イエレン財務長官は、「今回のワグネルに対する制裁の拡大と、ロシアの軍事複合体制を可能にしている関係者や企業への新たな制裁によって、プーチンが自らの戦争マシンを武装するのをさらに阻害することになる」と述べた。