プーチン氏、穀物輸出合意の停止を演説で表明 破棄ではないと

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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は10月31日夜、ウクライナで滞留する穀物などを輸出するための国際的合意について、破棄ではないが参加を停止すると述べた。「黒海イニシアチブ」と呼ばれる食糧輸出の合意は、今年7月に国連やトルコなどが仲介。ロシア政府は10月30日に、合意停止を表明していた。
プーチン大統領はテレビ演説で、クリミア半島でロシアの黒海艦隊がウクライナの「大規模な」ドローン攻撃にあったと主張し、これを理由に合意参加を停止すると述べた。
「ウクライナは、民間船舶の安全を保証しなくてはならない」とプーチン氏は述べた。
ロシア政府は10月30日に、ウクライナが食糧輸出用に黒海に設けられた人道回廊を利用して、ロシアの艦隊を攻撃したと主張し、合意停止を表明していた。
国連はその夜に人道回廊を航行中の船舶はなかったとしている。またウクライナ政府は攻撃の実施を認めず、ロシアは輸出合意破棄の口実を探していただけだと批判した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ウクライナは合意の取り決めを履行するとして、ロシアが「世界を飢餓で脅している」と非難した。ロシアはこれを否定している。
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ウクライナのインフラ担当省によると、ロシア政府による合意停止表明をよそに、31日には穀類を含む食料35万4000トンを積んだ輸送船12隻が、黒海沿いの港から出港したという。これは「黒海イニシアチブ」による食物輸出が始まって以来の、記録的な量だと、同省報道官はロイター通信に話した。
12隻のうち、穀物4万トンを運ぶ1隻は「大飢饉が起きる、現実的な可能性がある」アフリカ東部エチオピアを目指していると、報道官は述べた。
他方、ロシア政府のドミトリー・ペスコフ報道官は31日、「この海域の運輸の安全を保証するのはこの条件では不可能だと、ロシアは言っている。その状況でこのような合意はとても維持できないし、はるかに危険で保証されない、これまでとは性質の異なるものになる」と記者団に述べた。
これについてアメリカは、ロシア政府が「食べ物を武器にしている」と批判している。欧州連合(EU)の外相に当たるジョセップ・ボレル外交安全保障上級代表は、穀類と肥料の輸出が危うくなれば世界の食糧危機が悪化するとして、ロシアに再考を求めた。










