ロシアのガス大手、EUへの供給をさらに削減へ

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ロシアのエネルギー大手ガスプロムは25日、メンテナンス作業のため、主要パイプラインを通じた欧州連合(EU)へのガス供給を再び大幅に減らすと発表した。
ガスプロムによると、供給削減はグリニッジ標準時27日午前4時に開始する。ロシアからドイツまでガスを送るパイプライン「ノルド・ストリーム1」のタービン2基のうち、1基の「技術的な状態」が理由だという。
1日当たりのガス生産量は2割減る。供給レベルは現在の半分になるという。
ドイツ経済省の広報担当は、「私たちが得ている情報では、供給を減少すべき技術的な理由はない」と述べた。
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ロシアは昨年、EUが使うガスの4割を供給した。EUは、ロシアがエネルギーを武器として使っていると非難している。
EU諸国にとっては、冬に向けたガス備蓄の補充が一段と困難になると懸念される。
欧州委は使用削減を要請
ノルド・ストリーム1はここ数週間、能力を大きく下回って操業している。今月に入ると、10日間のメンテナンスのため完全に停止された。
ロシアは、供給を全面的に抑制または停止する可能性があると警告している。それを受けて欧州委員会は、今後7カ月間のガスの使用量を15%削減するよう各国に要請している。
この目標は自主的なものだが、緊急時には義務化される可能性があるという。
欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、ロシアがEUへの供給を完全停止することは「あり得るシナリオ」だと述べた。
EU加盟国のエネルギー担当相は26日、ブリュッセルに集まり、ガス使用の削減計画を締結する予定。
だが、一部の国は抵抗しており、不参加も多いと予想されている。
他人にルールには従わず=CEO
ロシアがウクライナに侵攻した2月以来、ガスの卸売価格は高騰している。影響は、消費者が支払うエネルギー料金に及んでいる。
ガスプロムの発表を受け、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「団結するヨーロッパに対して、ロシアが公然と仕掛けたガス戦争だと認識されるべきものだ」と述べた。
一方、ロシア政府は、自国について、信頼できるエネルギーのパートナーだと主張。EUへのガス供給が最近停止されたのは、西側の制裁のせいだと非難している。
ガスプロムによると、ノルド・ストリーム1は、カナダで修理された機器の返却が制裁の影響で遅れたため、ガスの流量を最大の4割まで抑えざるを得なかったという。
ガスプロムのアレクセイ・ミレル最高経営責任者(CEO)は、「私たちの製品なのだから、私たちのルールだ。我々が作ったものではないルールには従わない」と述べた。
ノルドストリーム1によるガス供給の削減が続くと、使用量が大幅に増える冬を前に、各国はガス備蓄の補充に一段と苦労する恐れが高くなる。
ガスプロムは、ブルガリア、デンマーク、フィンランド、オランダ、ポーランドへのガス供給を全面的に停止している。支払いをユーロやドルではなく、ルーブルでするようロシア政府が指示したのを拒んだのが理由。









