米独立記念日パレード銃乱射の容疑者、逃走先で「2回目の銃撃考えていた」=捜査当局

Mourners at a makeshift vigil

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米中西部イリノイ州シカゴ近郊で独立記念日のパレード中に銃を乱射したとされる容疑者が、逃走中に隣の州でも同様の犯行を考えていたとみられることが明らかになった。当局が6日に発表した。

シカゴに近いハイランドパーク市で4日に発生した乱射事件では、7人が死亡したほか、30人以上が負傷した。地元検察は5日、ロバート・クリモ容疑者(21)を殺人容疑で訴追した

クリモ容疑者は犯行後、車で2時間以上かけてウィスコンシン州へ向かった。逃走先で別の独立記念日の祝賀行事を見て、2回目の襲撃を考えていたとみられると、警察は説明した。

容疑者は6日、裁判所にオンライン形式で初出廷した。

判事は保釈を認めず、公選弁護人を付けることを決定した。

ベン・ディロン地方検事補は、監視カメラ映像に、容疑者が犯行現場を離れてライフルを捨てる様子が映っていたと述べた。容疑者はその後、母親の車でウィスコンシン州マディソンまで約240キロ移動したという。

ディロン氏によると、容疑者は拘束された後、「通りの向こうにいる人たちに向けて発砲した」と犯行を認めたという。

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警察はその後の記者会見で、容疑者が犯行後にウィスコンシン州マディソンで携帯電話を捨てようとしていたと判断したと述べた。

また、容疑者が住民に紛れて逃走できるよう女装したと供述したとした。

ウィスコンシン州マディソン警察の本部長は記者会見で、4日午後5時ごろ、連邦捜査局(FBI) から、同地域に容疑者がいるとして特殊部隊(SWAT)の動員を要請する電話があったと説明した。

しかし、SWATが到着する前に容疑者の身柄が確保されたことを確認したという。

検察によると、銃撃現場からは83個の使用済みの薬きょうと、ライフル用の弾倉が複数押収された。

The accused gunman appeared in court on Wednesday

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画像説明, オンライン形式で出廷したロバート・クリモ容疑者(6日)

過去に通報も

警察によると、容疑者の自宅からは銃器3丁も見つかった。容疑者は過去1年間に5丁の銃を購入していたが、その前に2度にわたって法執行機関が接触していたという。

2019年4月には、容疑者が自殺を図ったとされる日から1週間後に警察が通報を受け、自宅へ駆けつけた。同年9月には、「みんなを殺す」などと暴力的な脅しをかけていると家族から通報があった。

警察は当時、自宅からナイフ16本、短剣1本、剣1本を押収したが、それ以上の措置は取らず、容疑者は逮捕されなかった。

今年4月には、ユダヤ教の「過越の祭り」の時期に地元のシナゴーグ(ユダヤ教礼拝堂)を訪れた容疑者が不審な行動を取ったと報じられている。ユダヤ系報道機関「ザ・フォワード」は、容疑者が施設を「見定めていた」のではないかとの目撃証言を伝えたが、容疑者は何事もなく立ち去ったという。

イリノイ州警察によると、容疑者は19歳だった2019年12月、父親に銃器免許の申請のスポンサーになってもらっていた。容疑者のおじは、地元紙シカゴ・サンにあてた声明でこれを否定した。

同州は危険とみなされた人物から武器を押収し、さらなる銃の購入を禁止するよう裁判官が命じることができる「レッドフラッグ法」を導入している19州のうちの1つ。今回の乱射事件は、同様の規制が効果的ではないことを示しているとの声もあがっている。

イリノイ州でレッドフラッグ法が施行されたのは2019年1月で、警察が容疑者に初めて対処したのは施行のわずか数カ月後だった。

Annotated image taken after the shooting showing the rooftop used by the gunman and the parade route
画像説明, オレンジ色の矢印がパレードの進行ルート(Parade route)。容疑者は建物の屋上(Rooftop used by gunman)から群衆に発砲した。画像は事件の数時間後に撮影されたもの 出典:EPA