ミャンマー軍のロヒンギャへの暴力はジェノサイド 米政府が認定

画像提供, EPA
アントニー・ブリンケン米国務長官は21日、ミャンマー国軍が国内の少数民族ロヒンギャに対してジェノサイド(集団虐殺)を行ったと、アメリカ政府として正式に認定したと発表した。
ブリンケン長官は、ミャンマー軍による殺害、集団強姦、放火などの情報を得て、国軍が明確な意思をもってロヒンギャを破壊しようとしている証拠を得たと説明した。
ブリンケン氏はワシントンのホロコースト記念博物館で演説し、ロヒンギャへの攻撃は「広範で体系的」なものだと指摘。米政府が独自に得た内容のほか、国際人権団体アムネスティー・インターナショナルやヒューマン・ライツ・ウォッチなどが収集した記録も併せて、国務省が情報を精査した結果、ミャンマー国軍の行為はジェノサイドだと判断したと述べた。
ブリンケン長官はさらに、国連人権理事会(UNHRC)が設置した「ミャンマーに関する独立調査メカニズム(IIMM)」に、米政府が新たに100万ドルを拠出すると述べた。
ミャンマー国軍によるロヒンギャ掃討作戦が2017年夏に始まって以来、最初の1カ月だけで6000人以上が殺害された。ミャンマーを逃れたロヒンギャ難民の数は数十万人に上る。
<関連記事>
- ミャンマー少数民族ロヒンギャの扱いは「人道犯罪」=人権団体(2016年11月)
- ミャンマーは民族浄化をしていない スーチー氏独占インタビュー(2017年4月)
- ミャンマーの少数民族ロヒンギャ、衝突受け多数が隣国に避難(2017年8月)
- ミャンマー逃れるロヒンギャ難民、さらに急増(2017年9月)
- ロヒンギャの村、潰され政府施設に一変 BBCがミャンマーで取材(2019年9月)
国際司法裁判所(ICJ)は2019年12月、ミャンマー軍によるロヒンギャに対するジェノサイドについて審理を開始している。
ブリンケン長官は、「恐ろしい行為の責任者が、責任を問われる日が必ずやってくる」と述べた。
ロヒンギャ危機が始まった当初、ミャンマーは民政下にあったが、2021年2月1日のクーデター以降、軍事政権はロヒンギャに対して同じ戦術を続けているとブリンケン氏は指摘した。
「クーデター以前には、ロヒンギャに対する軍部の暴力に気づいていない人もいたが、2021年以降の軍部による残酷な暴力行為を見れば、軍部が権力を握っている限り、ビルマの誰も安全ではないとはっきりした」と、長官は述べた。
掃討作戦開始まで、ロヒンギャはミャンマー西部ラカイン州を中心に、国内に約100万人がいた。しかし仏教徒が大多数を占めるミャンマーの政府は、イスラム教徒のロヒンギャに市民権を与えず、2014年の国勢調査では住民として数えることもしなかった。
アメリカでは2021年1月にバイデン政権が発足した当初、ブリンケン国務長官がロヒンギャ危機を再点検すると約束していた。過去2回の米政府調査では、ジェノサイド認定に至っていなかった。
米政府によるジェノサイド認定がただちに懲罰的対応につながるわけではないが、「ミャンマー軍にすれば、これ以上の人権侵害を続けにくくなる」と、国務省幹部はロイター通信に話した。
ミャンマー政府からのコメントはまだない。









