ロシアが中国に軍事・経済援助要請か ロシア軍はポーランド国境近くを空爆 ウクライナ侵攻18日目

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ウクライナ侵攻開始から18日目の13日、ウクライナとポーランドの国境に近い、西部の軍事訓練施設にロシア軍の巡航ミサイルが次々撃ち込まれ、少なくとも35人が死亡し、134人が負傷した。この施設は北大西洋条約機構(NATO)加盟国のポーランドへの中継地点となっている。同日には英米の複数メディアが、ロシアは中国に軍事・経済支援を要請していると伝えた。
ロシアは中国に支援要請か
英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)と米紙ニューヨーク・タイムズは、ロシアが中国に軍事・経済支援を求めていると伝えた。
FTによると、ロシア政府はウクライナで使う軍事機材の提供を中国に求めた。匿名の複数米政府筋の話として、ロシアはウクライナ侵攻開始からずっと中国に支援を要請しているとFTは伝えた。米政府筋は、ロシアがどのような機材を求めているかは明らかにしなかったという。さらに同紙は、中国が支援提供に向けて準備している可能性もあると伝えた。
これとは別にニューヨーク・タイムズは、米政府筋の話として、ロシアが経済制裁の打撃を緩和するため、中国に経済支援を要請していると伝えた。
米ホワイトハウスのジェイク・サリヴァン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は14日にもローマを訪れ、楊潔篪(ヤン・チエチー)中国共産党中央政治局委員と会談する予定。サリヴァン氏は13日、米NBCニュースに対して、「中国だろうと誰だろうと」ロシアの経済損失の穴埋めをできないよう、アメリカが対応すると話した。
ロシアが中国に軍事支援を要請したという報道について、ロイター通信によると、在ワシントン中国大使館の劉鵬宇(リュウ・ペンギュウ)報道官は、「ウクライナの状況には確かに当惑している」とした上で、「いま最優先されるのは、緊迫した状況のエスカレーションを、あるいは状況が制御不能になるのを、防ぐことだ」と述べた。
米国務省出身で米外交問題評議会会長のリチャード・ハース氏はツイッターで、「プーチンが習に軍事援助を求めていると報道されている。応じれば、中国自身が制裁対象になり、国際社会から疎外されてしまう。断れば、欧米と少なくとも限定的な協力関係を築ける可能性が維持される。習にとって、中国にとって、そして21世紀にとって、決定的な瞬間になる」と書いた。

ポーランド国境近くへ砲撃
ウクライナによると、ロシア軍はポーランド国境に近い西部ヤヴォリウにある軍事訓練施設にミサイルを30発ほど撃ち込んだ。
ロシアは後に、外国の傭兵と武器を標的にした攻撃だと認めた。
BBCが検証した、オンラインに投稿された攻撃後の様子をとらえた動画には、現場に巨大なクレーターができ、近くの建物では火災が発生して煙が立ち上っているのが確認できる。
「夜空が赤く染まった」と、複数の目撃者はBBCに証言した。この攻撃は、これまで平和だった西部地域にまもなく紛争が拡大するのではないかという恐怖を引き起こした。
ポーランドは、アメリカが主導する軍事同盟NATOの加盟国。
こうした中、ウクライナとロシアの交渉担当者は、停戦をめぐる交渉でこれまでで最も進展があったとの認識を示した。詳細は明らかにしなかった。


マリウポリでの民間人避難、「時間切れ」の懸念も
ロシア軍に包囲され、人道回廊による民間人の避難が進んでいない南東部マリウポリの当局者によると、これまでに住民2100人以上が死亡した。赤十字国際委員会(ICRC)は住民を救える「時間切れになりつつある」としている。
ICRCのペーター・マウラー総裁は、「我々は、戦闘に関与する全ての当事者に対し、人道的必須事項を最優先するよう求める」と述べた。
「マリウポリの人々は数週間にわたり生きるか死ぬかの悪夢に耐えてきた。これを今すぐ終わらせる必要がある。住民の身の安全、そして食料や水、シェルターへのアクセスが保証されなくてはならない」
ICRCは声明で、年金生活者や子供たち、赤十字社スタッフが死体が散乱するマリウポリで、暖房のない地下室に避難していると指摘。人的被害は「計り知れない」と述べた。
ICRCは「具体的かつ的確で、実行可能な合意」を「滞りなく」実施し、民間人が安全に移動できるようにすることを求めた。また、停戦を尊重し、住民が移動する時間を与えるよう求めた。
さらに、「国際人道法を尊重し」、民間のインフラや病院、医療関係者を標的にしないようロシアとウクライナの双方に訴えた。合意に達しなければ、
「もし双方ができるだけ早期に合意に達しなければ、マリウポリの現状を恐怖しながら振り返ることになるだろう」
アメリカ人ジャーナリストが死亡
首都キーウ(キエフ)郊外で戦闘が続く中、イルピンでアメリカ人ジャーナリストのブレント・ルノー氏(50)が射殺された。米誌タイムズ・スタジオズの企画取材でウクライナ入りしていたという。
警察によると、ルノー氏はロシア兵に狙われた。ほかにジャーナリスト2人が負傷し、病院に搬送された。
ウクライナでの戦闘を取材する外国人ジャーナリストの死亡が報告されたのは初めて。

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イギリスの難民受け入れ制度
イギリスのマイケル・ゴーヴ住宅担当相は13日、ウクライナ人難民の受け入れを目的とした制度の詳細を発表した。
「ホームズ・フォー・ウクライナ」制度は、難民が少なくとも6カ月間、指名された個人または家庭の住居または別の物件に無料で滞在してもらうことを可能とするもの。難民のスポンサーを希望する人が意思表示できるウェブサイトは14日に開設される予定。
この制度を利用するウクライナ人には3年間の滞在許可のほか、就労や公共サービスを利用する権利も与えられる。受け入れ家庭には月350ポンド(約5万4000円)の「謝礼」が支払われる。
一方で、この制度は不十分だという批判も出ている。
英アカデミー賞の授賞式に出席した英俳優ベネディクト・カンバーバッチ氏は、自分も難民を受け入れるつもりだと意向を示した。
「難民危機が続く限り、みんなで政治家に圧力をかけ続け、プーチン政権に圧力をかけ続け、寄付や難民の受け入れなど自分にできる方法で援助を続けていかなくてはならない。どれも僕はやるつもりだし、すでにしてきたこともある」と、カンバーバッチ氏は述べた。

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ロシアの頭脳流出
ロシア人経済学者の推計によると、ウクライナ侵攻開始以降、20万人ものロシア人が国を離れたという。
欧州連合(EU)、アメリカ、イギリス、カナダはロシア航空機の自国領空での飛行を禁止している。そのため、こうしたロシア人たちはトルコや中央アジア、南コーカサスなど飛行が許可され、ビザが不要な国に向かっている。その多くはアルメニアに逃れている。
BBCのレイハン・ディミトリ記者は、隣国ジョージアに到着したロシア人に話を聞いた。多くの人がスーツケースを手に、首都トビリシをさまよっている。ペットを連れている人もいる。
「プーチン政権に対抗する最善の方法は、ロシアから移住することだと理解していた」と、エフゲニー氏(23)は語った。大学で政治学を学んだというエフゲニー氏は、「ウクライナ人を助けるためにできることは何でもする。それが私の責任だ」とした。
10代の志願兵
キーウで取材するBBCのジェレミー・ボウエン中東編集長は、10代の志願兵に話を聞いた。
志願兵の多くは学校を卒業して間もない10代後半で、3日間の基礎訓練を受けた後、戦闘の最前線あるいはそれに近い場所へと向かうのだという。志願兵の中には、小さすぎる膝当てを付けている者もいた。寝袋を確保できている人は少なく、1人はヨガマットを使っていた。
志願兵のドミトロ・キシレンコさんは、「もちろん、心の深いところでは少し怖い。死にたい人なんていませんから、いくら自分の国のためでも。なので僕たちには死ぬという選択肢はありません」と話した。










