メガン妃の手紙裁判、英タブロイド紙の不服申し立てを却下

Duchess of Sussex

画像提供, Reuters

画像説明, イギリス王室サセックス公爵夫人メガン妃

イギリス王室サセックス公爵夫人メガン妃が、父親のトーマス・マークル氏に宛てた個人的な手紙を不法に掲載されたとして英タブロイド紙を訴えた裁判で、控訴院は2日、タブロイド紙側の不服申し立てを却下した。

この裁判をめぐっては今年2月、高等裁判所がメガン妃の訴えを認める「略式判決」を下した。メイル・オン・サンデーとその親会社アソシエイテッド・ニュースペーパーズ(ANL)は控訴したものの、これが棄却されたため、控訴院に判決を不服とする申し立てを行っていた。

控訴院は今回、2018年8月に父親に宛てた手紙は「非常に個人的なものだ」とするメガン妃の主張を支持した。

メガン妃は裁判所の決定を受け、この勝利は「私だけでなく、恐怖を感じていた人や、正しいことのために立ち上がった人たち全員のものだ」と述べた。

一方のANLは決定に失望したと述べ、最高裁判所への上告を視野に入れていると話している。

<関連記事>

メガン妃は声明で、「自分たちが作り出すうそと痛みで利益を得る(中略)タブロイド紙業界を作り替えられるほど勇敢」になってほしいと人々に訴えた。

「(裁判が始まって)3年近くもの間、私は偽りや脅迫、計算された攻撃に耐えてきた」

「この有害なふるまいは、ごくまれにしか起こらないことではない。私たちを分断する日々の過ちであり、私たちの生活はもっとよいものであっていいはずだ」

ANLの広報担当者は、「激しく争われている案件における判断は、概要からではなく、裁判で提示された証拠からのみ導かれるものだと、我々は強く信じている」と語った。

また最高裁への上告については、記事には「公爵夫人と父親の関係が壊れた原因など、公共の利益となる問題」が含まれているためだと述べた。

Meghan Markle with her father Thomas W Markle in 2003
画像説明, 2003年に撮影された、メガン妃と父親のマークル氏

メガン妃は夫ハリー王子と結婚した直後の2018年8月、マークル氏に手書きの手紙を書いた。マークル氏はイギリスで行われた結婚式には参加していない。

マークル氏は、メディアで不当に取り扱われているとして、メイル・オン・サンデーにこの手紙を渡した。

メイル・オン・サンデーはその後、メガン妃の手紙1250語のうち585語を、5つの記事にわたって掲載した。

メガン妃は2019年10月に同紙を提訴。同年2月に発表された5件の記事について、個人情報の不正使用、著作権侵害、データ保護法違反などに当たるとし、損害賠償を求めている。

高等裁判所は2月、メガン妃には「手紙の内容が公にならないことを期待するだけの理由があった」と認定。「メイル・オン・サンデー」とウェブサイト「メイル・オンライン」が個人情報を不当に利用したとする略式判決を出した。これにより、訴えの一部は公判なしで決着となった。

新たな証拠でも「状況は変わらない」

11月に行われた審理でANL側の弁護士は、メガン妃が訴えている個人情報と著作権侵害について、正式な裁判で争うべきだとする主張を裏付ける証拠を提出した。

その中には、メガン妃の広報担当秘書を務めていたジェイソン・ナーフ氏が、メガン妃がこの手紙が流出する可能性を示唆していたと述べている証言も含まれていた。

ナーフ氏は、メガン妃からこの手紙の下書きと、「私が書いたものは全て流出するかもしれないと分かっているので、言葉選びには注意しているけれど、法的責任が問われるような点に気づいたら教えてほしい」という文章を送られたと述べた。

これに対しメガン妃は書面で、父親から手紙が流出すると思っていたという点について否定。「そんな可能性があるとは考えていなかった」と述べた。

控訴院の3人の判事は決定の中で、手紙の内容は「個人的なものであり、公共の利益として合法的なものではなかった」と述べた。

また、審理で提示された証拠によって状況が変わるとは思えないと指摘。

「手紙のほんの一部を掲載することは公共の利益にかなうかもしれないが、手紙の内容の半分を公開する必要はなかったと結論付ける」と記した。