インターポール、拷問疑惑のUAE高官を次期総裁に選出 人権団体が非難

Interpol's newly-elected president, General Ahmed Nasser al-Raisi, addresses the General Assembly in Istanbul, Turkey (25 November 2021)

画像提供, Reuters

画像説明, インターポール次期総裁に選出された、アラブ首長国連邦(UAE)内務省のアフメド・ナセル・アル・ライシ監察長官

国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)は25日、アラブ首長国連邦(UAE)内務省のアフメド・ナセル・アル・ライシ監察長官を次期総裁に選出した。ライシ氏には拷問への共謀疑惑があり、人権擁護団体などが非難している。

インターポール総裁の任期は4年間。報酬はなく、現在の職務との兼任となる。

人権団体などはライシ氏について、UAE治安部隊に対する拷問をめぐって信頼性のある情報を捜査しなかったとして、次期総裁への立候補に反対していた。

ライシ氏は疑惑を否定している。

ツイッターで抱負を表明

インターポールはこの日、トルコの首都イスタンブールで開かれた総会で次期総裁を選出。3回にわたる投票の末、ライシ氏が選ばれた。

総裁職はインターポール執行委員会の委員長を務め、ユルゲン・ストック事務総長の職務を監督する。事務総長がインターポールを実質的に動かしている。

ライシ氏はツイッターで任命を光栄に思うと述べ、「すべての人々の安全を守るため、より透明性が高く、多様性と決断力のある組織を構築する」と約束した。

また、別の声明では、UAEは「世界で最も安全な場所のひとつ」だと説明。今後も「世界で最も困難な地域を前向きに変えていくための最重要の勢力」であり続けると述べた。

人権団体などが非難

これに対し、人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチの湾岸地域研究員ヒバ・ザヤディン氏は、「世界全体の人権と法治主義にとって悲しい日になった」と指摘。ライシ氏は「湾岸地域で最も全体主義的と言われ、平和的な異議主張とテロリズムを同一視するような政府の代表だ」と述べた。

イギリスの研究者マシュー・ヘッジズ氏も、今回の選出を非難している。ヘッジズ氏は2018年にUAEで不当に収監され、拷問を受けたとして、ロンドン高等裁判所でライシ氏を含むUAEの高官4人に損害賠償を求めている。

湾岸人権センター(GCHR)の代理人を務める弁護士らはすでに、フランスとトルコで、ライシ監察官に対する正式な申し立てを行った。

GCHRは、UAEの人権活動家アフメド・マンスール氏の不当逮捕と拷問にライシ氏が関わっていたと非難している。マンスール氏は2017年に逮捕された後、ソーシャルメディアでUAEを「侮辱」したとして禁錮10年の実刑判決を受けている。

UAEのアンワル・ガルガシュ大統領顧問は、ライシ氏に対する批判は「組織的で集中的な中傷活動」の一環だと指摘。同国の外務省も、「警察による虐待や不当な扱いは寛容できないものだと確信している」と述べている。