アメリカ、期限内の軍撤退完了目指す タリバンは延長を拒否

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アメリカ国防総省は23日、タリバンが権力を握ったアフガニスタンからの米軍の撤退計画を、8月31日の撤退期限までに完了させる方針だと発表した。
この日に行われた主要7カ国(G7)会議で、アメリカは期限を変更するところまでは来ていないと述べた。一方、イギリスやフランス、ドイツは延長の圧力をかけている。
こうした中でタリバンはBBCに対し、あらゆる期限延長は協定違反になると話した。
アフガニスタンからはこれまでに数万人が出国したが、首都カブールの空港周辺には国外脱出を求める人々が詰めかけている。
ロイター通信は、ジョー・バイデン米大統領が今後24時間以内に撤退期限延長の是非を決めなくてはならないと報じている。
「民間機で出国できる」
タリバンのスハイル・シャヒーン広報担当はBBCの取材の中で、市民は期限後も民間機に乗って出国することができると話した。
「パスポートを持っている人たちには何もハードルを設けていない。その人たちはいつでも民間の旅客機に乗ることができる。その人たちにもアフガニスタンにとどまってほしいが、国を出たいならそれは可能だ」
しかし、多くのアフガニスタン人、特に駐留部隊に協力していた人々は、タリバンからの報復を恐れている。タリバンは政権を掌握していた1996年から2001年の間、厳しいイスラム法を敷いていた。
タリバンは2001年に米同時多発攻撃を引き起こしたアルカイダをかくまっていたとして、アメリカ軍によって政権を追われた。その後、20年にわたって紛争が続いた。
シャヒーン氏は取材の中で、市民にはアフガニスタンに残って国の再建を手伝ってほしいと説明。懐柔的な印象を与えようとしていた。
しかし、外国部隊が8月31日以降も駐留すれば、「それなりの結果」が待っていると強調。タリバンの指導部が決めることだとして詳細は述べなかった。
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カブール空港では23日、BBCのセカンダー・カーマニ記者の周りにも数十人の市民が詰めかけ、書類を掲げながら搭乗許可のない飛行機に乗ろうとしていた。
こうした混乱によって、空港へのアクセスが許可されている人でも空港に入ることが難しくなっていたと、カーマニ記者は伝えた。
カナダ当局の職員はロイター通信の取材で、群衆は「密度を増して、暴力も多くなっている」と話した。
米ホワイトハウスによると、23日の午前11時半から午後11時半の間に1万900人がカブールから避難した。
アメリカは8月14日以降、約4万8000人を避難させたか、避難を支援したとしている。
アメリカが駐留部隊撤退を決めて以降、タリバンは急速にアフガニスタン全土を掌握。タリバンがカブールに入ってからは、外国人や西側諸国に協力していたアフガニスタン人の避難が始まった。
現在、タリバンが支配していないのはカブール北東部のパンジシールのみとみられている。反タリバン勢力の牙城となっているこの地では、数千人が戦闘準備を進めているという。

ホワイトハウスのジェイク・サリヴァン大統領補佐官(国家安全保障担当)は、政治・安全保障筋を通してタリバンと毎日協議を行っている。一方、バイデン大統領は現時点での直接対話は考えていない。
サリヴァン氏は、アフガニスタンからの出国を考えているアメリカ人は全員、米軍の撤退期限までに出国できるはずだと説明。その上で、バイデン氏は期限延長を「1日ごとに」検討していると話した。
国防総省のジョン・カービー報道官は先に、「月末までに終わらせることに注力している」と語っていた。
カービー氏は、もし現地の司令官が延期が必要だと言えばバイデン大統領に伝えるが、「まだそこには至っていない」と述べている。
「タリバンの広報担当が、8月31日についての公式見解を出した。その見解についてはみなが理解していると思う」
カービー氏は、出国したアメリカ人の具体的な数は言わず、「数千人」と述べるにとどまった。
また、避難計画を進める駐留部隊を増派するつもりは現時点ではないと話した。現在、アフガニスタンでは5800人の米兵が避難を支援している。

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カービー氏によると、アメリカは人々を空港へ運ぶために少なくとも1地点からヘリコプターを飛ばしている。
国務副長官経験者のジェイムズ・ステーンバーグ氏はBBCの取材で、バイデン政権がアメリカ人保護のために撤退期限を延長する可能性は大いにあると指摘。タリバンに「拒否する選択肢」は与えないだろうと話した。
イギリスとフランス、ドイツは、避難計画は8月31日以降も続くだろうとしている。
バイデン氏は23日、G7首脳による電話会議でボリス・ジョンソン英首相とも会談。駐留部隊が引き続き避難支援を行うのか、民間による運営に引き継げるのかについて議論した。
ドイツのハイコ・マース外相は、同盟国やタリバンと、民間による避難支援について話し合っていると述べた。
一方でイギリスは、カブール空港に外国部隊を置くには、アメリカ軍の存在が不可欠だと指摘した。
カービー報道官は、「アメリカ軍がいなくても、人々がカブールから脱出することは想定できる」と話した。










