【東京五輪】 男子走り高跳び「2人に金メダルもらえる?」 2選手が勝利共有

Mutaz Barshim and Gianmarco Tamberi

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画像説明, そろって金メダルを獲得したカタールのムタズエサ・バルシム(左)とイタリアのジャンマルコ・タンベリ(右)

東京オリンピックは1日、陸上男子走り高跳び決勝がオリンピックスタジアム(国立競技場)であり、カタールのムタズエサ・バルシム(30)とイタリアのジャンマルコ・タンベリ(29)の2選手が、大会側と協議の上、そろって金メダルを獲得した。

2時間におよんだ男子走り高跳び決勝で、両選手は五輪記録の2メートル39センチをともに3回失敗。2メートル37センチまで1度も失敗がなく、全く同じ成績で並んでいた。

大会側は、決着するまで1回ずつ跳躍する「ジャンプオフ」の実施を提案した。

しかし、バルシムは「金メダルを2つもらえないか」と提案し、大会側がこれを受け入れた。

両選手は五輪チャンピオンのタイトルを分け合うことを決めた。スポーツマンシップを象徴したこの瞬間は、大きくたたえられた。

陸上競技で同記録による複数人の金メダリストが誕生するのは、1912年ストックホルム五輪以来109年ぶり。

Mutaz Barshim and Gianmarco Tamberi

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画像説明, ムタズエサ・バルシム(カタール、左)が「金メダルを2つもらえないか」と提案。大会側は「タイトルを分け合うことに同意してもらえるなら」とこれを認めた
Gianmarco Tamberi

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画像説明, ジャンマルコ・タンベリ(イタリア)は2016年リオデジャネイロ五輪の直前に足を負傷してリオ五輪を欠場した。東京大会で金メダルが確定した際には「Road to Tokyo 2020」と書いたギブスを手に喜びを爆発させた

銅メダルはベラルーシのマクシム・ネダセカウ。同じく2メートル37を成功させていたが、全体の試技のうち失敗の数の多さで3位となった。

タンベリとバルシムは、金メダルが確定すると2人で抱き合って喜んだ。そして、それぞれが国旗を頭の上に掲げ、コーチやチームメイトと一緒にスタジアム内を走った。

2017年、2019年の世界選手権で優勝したバルシムは新たな世界タイトルを獲得した。また、7月31日の重量挙げ男子96キロ級で優勝したファレス・エルバフに続く、カタール史上2個目の五輪金メダルとなった。

タンベリがトラック上に倒れこんで金メダル獲得を喜ぶ中、同じくイタリアのラモント・マルチェル・ヤコブス(26)が男子100メートル決勝で勝利し、両手を広げたタンベリの元へ飛び込んだ。

けがを乗り越えた金メダル

バルシムとタンベリはそれぞれ、けがによる厳しい時期を乗り越えなければならなかった。しかし、バルシムはそうした犠牲には価値があったとしている。

「素晴らしい瞬間だ。この夢から目覚めたくない」

「いろいろなことがあったので。けがをしたり、たくさんの挫折を味わったりしながら待ち続けた5年間だった。でも、私たちは今日この場にいて、この瞬間とあらゆる犠牲を分かち合っている。この瞬間、本当に価値ある犠牲だったと思える」

タンベリは2016年リオデジャネイロ五輪の直前、キャリアを脅かすほどのけがを負い、同大会を欠場。回復に時間を要した。

「けがをした後はただ復帰したいと思っていたが、今この金メダルを手にして信じられない気持ちだ。何度も夢見てきたことなので」

「2016年のリオ大会直前に、もう競技に復帰できないかもしれないと告げられていた。ここにくるまで長い道のりだった」

順位