大学のワクチン接種義務化、「違憲」とした学生の訴え退ける=米連邦地裁

Protesters holding placards gather at Indiana University's Sample Gates during the demonstration. Anti-vaxxers and anti-maskers gathered at Indiana University's Sample Gates to protest against mandatory Covid vaccinations

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画像説明, インディアナ大学の新型コロナウイルスワクチンの接種義務化に抗議する人たち

米インディアナ州の大学が新学期に登校する条件として、新型コロナウイルスのワクチン接種を求める規則を打ち出したことに対し、学生が憲法上の権利を侵害しているとして廃止を求めた裁判で、連邦裁判所は20日、学生の訴えを退けた。大学でのワクチン接種義務化について、こうした判断が示されたのは初めて。

インディアナ大学の方針では、学生と教職員は8月15日までに予防接種を受けなければならない。

これに対し学生8人は、自らが選択する権利を侵害しているとして、この規則の廃止を求めて提訴した。

しかし裁判所は、学生にはワクチン接種を避けるためのほかの方法があると指摘し、訴えを退けた。

ワクチン接種の強制にはあたらない

学生は訴状で、憲法で定められている「個人の自主性」と「医療行為を拒否する」権利が踏みにじられていると主張していた。

デイモン・ライヒティ裁判官は、同大の方針はワクチン接種の強制には当たらないと判断。健康上などの理由による医学的猶予の申請や、一学期を休学あるいは他の学校に通うなど、ほかにいくつかの選択肢があるとした。また、学生は大学のウェブサイト上で宗教的・倫理的免除を申請できる。

ドナルド・トランプ前大統領に裁判官に任命されたライヒティ氏は、学生が自らの権利が侵害されたことを法廷で証明できる可能性は低いと付け加えた。

学生の弁護人は、この決定を不服として上訴するとした。

学生側は大学の方針に反対する理由として、新型ウイルス感染症COVID-19に感染するリスクが統計上低いことや、ワクチン接種による人体への長期的な影響が不明であることなどを挙げていた。

全米600校がワクチン義務化

インディアナ大学は今年に入ってCOVID-19ワクチンの接種を義務付けた、全米の約600校のうちの1つ。

アメリカでは新型ウイルスワクチンの接種が政治的論争となっており、多くのアメリカ人が接種をためらっている。ジョー・バイデン大統領は同国はワクチン接種の目標に達していないと警告している。

また、米保健当局は、国内の感染者数がここ数日で増加し始めていると警告している。

専門家は、より多くの人がワクチンを接種しない限りパンデミック収束の可能性は低いとしている。