デンマーク選手が試合中に倒れる 応急処置受け容体安定 ユーロ2020

Christian Eriksen

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画像説明, エリクセン選手はフィンランド戦の最中にピッチで倒れた

新型コロナウイルスのパンデミックの影響で昨年から1年延期された2020年欧州選手権(ユーロ2020)が11日に開幕した。開幕戦ではグループAのトルコ対イタリアが、ローマのオリンピコで対戦し、0-3でイタリアが勝利した。2日目の12日には、デンマーク対フィンランド戦でデンマークのMFクリスティアン・エリクセン(29)がピッチで意識不明となり、試合が中断した。エリクセン選手はその場で応急処置を受け、病院で容体が安定したという。

12日にはグループAでウェールズとスイスがアゼルバイジャン・バクーで対戦し、1-1で引き分けた。ロシア・サンクトペテルブルクで行われたグループBのベルギー対ロシア戦では、3-0でベルギーが勝った。

同じグループBでは、デンマーク・コペンハーゲンでデンマーク対フィンランド戦があり、0-1でフィンランドが勝った。この試合では、前半終了前にデンマークのエリクセン選手がピッチで倒れ、試合が中断した。

スローインを受け止めようとしたエリクセン選手が倒れると、デンマーク代表のDFシモン・ケアー主将が駆け寄り、気道を確保した。イギリス出身のアンソニー・テイラー主審がただちに医療班を呼び、エリクセン選手はその場で除細動器の使用を含め、心肺蘇生法(CPR)の処置を受けた。この間、デンマークの選手たちはエリクセン選手を守るようにその周りをぐるり取り囲んでいた。

Denmark players form a ring around Christian Eriksen

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画像説明, 救急手当てを受けるエリクセン選手をチームメイトが守るように取り囲んだ

欧州サッカー連盟(UEFA)は、病院に運ばれ入院したエリクセン選手の「容体は安定している」と発表した。また試合再開については、「両チームの選手たちの要望」を受けてのことだと説明した。これについてデンマークの主将や選手たちからは後に、UEFAからそのまま再開するか、翌日再開するかの選択を求められたとして、反発する声が出ている。

試合は中断から90分後に再開した。まず中断前に残っていた前半5分をプレイした後、5分間の休憩を挟み、後半が行われた。

デンマーク・フットボール協会のペーター・モラー氏はデンマーク・ラジオに対して、「(エリクセンと)連絡をとった。選手たちはクリスティアンと話をした。容体は良好で、選手たちはクリスティアンのために試合に臨んだ」と話した。

デンマーク代表のカスパー・ヒュルマン監督は試合後の記者会見で涙ぐみ、「本当にきつい夜だった。人生で何が一番大切なのか、みんな改めて思い知った。大切なのは、大事な人たちとの関係だ。親しい人たちだ。家族と友人だ」と話した。

「何もかも、何もかも、何もかも……ひたすらクリスティアンとご家族のことを思っている」と監督は述べた。

デンマークのチーム医、マルティン・ベーゼン医師は試合後の記者会見で、「意識を失っているのは明らかだった。私がたどり着くと、横向きの姿勢で、呼吸していた。脈拍も確認できたが、それが急変したので、CPRを開始した」と説明した。

「医療班があっという間にやってきて助けてくれて、スタッフもみんな協力してくれた。出来る限りのことをしてクリスティアンを回復させた。病院に運ばれる前には、私と言葉を交わしていた」

ベーゼン医師はさらに13日、エリクセン選手が一時、心停止状態にあったと明らかにした。

デンマークのタブロイド紙エクストラ・ブラデットは、担架で運ばれながら意識を回復したように見えるエリクセン選手の写真と共に、一面で「デンマークは負けたが命が勝った」と見出しを掲げた。

試合を中継していたBBCは、手当てを受けるエリクセン選手の映像が放送された後、謝罪した。

「BBCの全員、クリスティアン・エリクセン選手の全快を願っています。放送された映像を不快に思ったすべての人に謝罪します」と広報担当はコメントした。

さらに「競技場内の映像はUEFAが取り仕切っており、試合中断を受けて私たちは出来る限り素早く、競技場内の映像の放送を中断しました」と説明した。