イスラエル、ガザ地区への攻撃強める 交戦5日目

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イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスの交戦は14日、5日目に入った。イスラエル軍はハマスが実効支配するガザ地区への攻撃を強め、ハマスもイスラエルに向けロケット弾の発射を続けている。
イスラエル軍はこの日、地上部隊が攻撃に関わったと発表。だが、ガザ地区には入っていないとした。
ガザ市で撮影された動画には、イスラエル軍による地上と海上からの砲撃や空爆で、未明の空が明るくなった様子が映っている。
東エルサレムでの緊張の高まりを経て10日から続いている交戦は、激しさを増し、2014年以降で最悪となっている。死者はガザ地区で119人、イスラエルで8人となっている。
ガザ地区の保健省は地区内の死者について、子ども27人を含む多数の一般市民が含まれているとしている。また、これまでに600人以上が負傷したと述べた。
一方、イスラエルは、ガザ地区の死者のうち多数は戦闘員だとし、ハマスによるロケット弾の誤発射が原因の死者もいるとしている。
ガザ地区のイスラエルとの境界付近では、イスラエル部隊の侵攻を恐れるパレスチナ人住民らが避難を進めている。イスラエル軍は、ハマスの地下トンネル網を破壊する作戦を13日夜から実施したが、ガザ地区に踏み込んではいないと説明した。

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一方のハマスは13日夜から14日朝にかけ、イスラエルに向けて約220発のロケット弾を立て続けに発射した。イスラエル南部アシュドッドでは、シェルターに向かっていた女性(87)が死亡した。アシュケロン、ベエルシェバ、ヤヴネの各市もロケット弾の標的にされた。
イスラエル南部スデロットでは、ロケット弾が民家に着弾し、少年が死亡した。少年はシェルターに避難していたが、ロケット弾の破片が貫通したという。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は14日朝に出した声明で、必要と認められる限り、ガザ地区への軍事行動を続けると表明。ハマスについて、大きな代償を払うことになるとした。
イスラエルは13日、ガザ地区との境界付近に、歩兵部隊2隊と機甲部隊1隊を追加配備。また、陸軍の予備兵7000人以上を招集した。また、地上部隊をガザ地区内に進めることを検討しているとした。
一方、ハマスの広報担当は、イスラエル軍の地上部隊がガザ地区に侵攻してきた場合は、同軍に対して「厳しい指導」を実施する準備があると述べた。

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イスラエルで治安警備を強化
イスラエルでは、ユダヤ人とアラブ系市民の暴徒らによる衝突も起きている。ルーベン・リブリン大統領は「無意味な内戦」の危険性を警告。ベニー・ガンツ国防相は治安部隊による取り締まりを強化し、400人以上が拘束されている。
イスラエルの警察は、多くの衝突でアラブ系市民が原因になっていると説明。ユダヤ人の若者らがアラブ系市民の家々を攻撃しているのを黙認しているという批判は、当たらないと主張した。
ネタニヤフ首相は、暴徒に対する「予防拘禁」の可能性に言及している。
このほか13日には、以下の出来事があった。
- レバノンからイスラエル北部沖の海にロケット弾3発が発射されたと、イスラエル国防軍(IDF)が発表した。発射した側は声明を出していない。レバノンには、2006年にイスラエルと1カ月間交戦したヒズボラなど、いくつかの武装組織が存在する
- イスラエル軍は、ガザ地区の目標を攻撃したと発表した。情報機関のビルや、武装勢力の住宅や企業などだという
- ハマスは再び、ガザ地区からイスラエルに向け多数のロケット弾を発射した。ハマスの広報担当は、攻撃能力の「ごく一部」しか見せていないとした
- 航空大手のオランダ・KLM、英ブリティッシュ・エアウェイズ、英ヴァージン・アトランティックはイスラエル行きの便を運航停止にした。到着便もテルアヴィヴ空港から南部の空港へと変更された
沈静化の兆し見えず
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は14日、「ガザ地区とイスラエルにおける敵対行動の即時沈静化と停止」を求めた。
こうした声は、イスラエルの同盟国アメリカを含めた国々からも上がっている。しかし、交戦が鎮まる気配はない。
ハマス幹部は、国際社会がイスラエルに対し、エルサレムのアルアクサ・モスクでの「軍事行動をやめるよう」圧力をかければ、それに応じて停戦する用意があると表明した。
だが、イスラエル軍のヒルダ・ジルバーマン報道官は、現時点で停戦を探ってはいないと、イスラエル紙タイムズ・オブ・イスラエルに述べた。
交戦の経緯
今回の攻撃の応酬は、東エルサレムで数週間にわたって、イスラエルとパレスチナの人々の間で緊張が高まっていたことが背景にある。イスラム教とユダヤ教の両方にとって聖地とされている場所で、衝突が起きていた。
イスラエルは1967年の第3次中東戦争以来、東エルサレムを占領し、エルサレム全体を国の首都としている。しかし、国際社会の大半はこれを認めていない。
一方のパレスチナ自治政府は、東エルサレムが、将来建設する国家の首都になるとしている。
近年では、イスラエルとパレスチナが領有権を争う東エルサレムのシェイク・ジャラー地区で、イスラエル人入植者がパレスチナ人の住人に立ち退きを迫っていることから、双方の緊張が高まっている。











