エルサレムで連日衝突 パレスチナ人とイスラエル当局

Palestinians and Israeli police clash in Jerusalem. Photo: 8 May 2021

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画像説明, 警察に抗議し投石するパレスチナ人に警官隊が閃光(せんこう)弾を使った(8日、エルサレム)

中東エルサレムで7日から連日、パレスチナ人とイスラエル警察との衝突が続き、多数の負傷者が出ている。

7日夜には、エルサレム旧市街にあるイスラム教の聖地「アルアクサ・モスク」などでイスラエル治安当局とパレスチナ人が衝突し、200人以上のパレスチナ人が負傷。イスラエル警察の間でも、少なくとも警官17人が負傷したという。

7日はイスラム教の宗教行事ラマダン(断食月)最後の金曜日で、最も神聖とされる「ライラ・アル・カドル」の夜にあたり、数万人のパレスチナ人がアルアクサ・モスクを訪れて祈っていた。

8日夜には、旧市街のダマスカス門で、警官隊に抗議する人たちが石を投げたり火を燃やしたりするのに対して、警官隊は閃光(せんこう)弾や放水車を使って対抗した。

パレスチナ赤新月社(赤十字に相当)によると、少なくとも80人のパレスチナ人が負傷し、14人が病院に運ばれた。イスラエル警察は、少なくとも警官1人が負傷したとしている。

現地ではかねて、イスラエルとパレスチナが領有権を争う東エルサレムで、イスラエル人入植者がパレスチナ人の住人に立ち退きを迫っていることから、双方の緊張が高まっている。

An injured Palestinian woman is led to safety in Jerusalem. Photo: 8 May 2021

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画像説明, パレスチナ赤新月社によると複数の負傷者が病院に運ばれた(8日、エルサレム)

8日には衝突に先立ち、多くのパレスチナ人をアルアクサ・モスクへ運ぶバス数十台を、イスラエル警察が停止させたほか、7日夜の衝突後には複数のパレスチナ人が逮捕された。

マハムード・アル・マルブアさん(27)はロイター通信に対して、「(イスラエル警察は)我々が祈るのを嫌っている。争いが毎日続き、衝突が毎日ある。対立が毎日ある」と話した。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、自分たちは信仰の自由を保障しながらも法と秩序を維持するため責任をもって行動しているのだと述べた。

一方で、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長は、イスラエルによる「罪深い攻撃」を非難した。

アルアクサ・モスクはイスラム教徒にとってきわめて重要な聖地のひとつだが、同じ場所はユダヤ教徒にとっても聖地「神殿の丘」にあたり、長年にわたり双方が対立を繰り返してきた。

しかし7日の衝突は近年でも特に激しいもので、中東和平交渉にかかわるアメリカ、欧州連合、ロシア、国連のいわゆる「カルテット」は、「深い懸念」を示している。

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イスラエルは1967年の第3次中東戦争以来、東エルサレムを占領し、エルサレム全体を国の首都としているが、これは国際社会の大半が認めていない。

パレスチナ自治政府は、東エルサレムが将来建設する国家の首都になるとしている。

この東エルサレムのシェイク・ジャラー地区でイスラエル人入植者がパレスチナ人に立ち退きを迫っている問題で、国連はイスラエル政府に、立ち退きの強制をやめるよう求め、抗議者への「威力行使を最大限自制する」よう呼びかけている。

アラブ連盟は、パレスチナ人の強制立ち退きを阻止するため介入するよう国際社会に協力を求めている。

イスラエルの最高裁は10日にも、シェイク・ジャラー地区の立ち退きの是非について判断を示す見通し。